高原図鑑 PLATEAU PICTORIAL BOOK「マダラクワガタ」

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■マダラクワガタ　Aesalus asiaticus(クワガタムシ科マダラクワガタ属)
▽日本最少のクワガタムシ
ハイキングコース沿いを彩る花々にはチョウが蜜を求め訪れ、湖の上ではトンボが優雅に飛翔(ひしょう)する姿が多くなってきました。昆虫たちが活発に活動する季節です。えびの高原から出発するコースは、植生の多様性が豊かで、多くの植物を見ることができます。それは植物を食べる昆虫の多様性も豊かということでもあります。
森の中、歩を進めると、枯れてしまった木も多く見られます。枯れ木をじっくりと観察してみると、枯れ木と同じような色の昆虫を見つけました。マダラクワガタです。
クワガタムシというと、黒くて大きなアゴを持つ夏の人気者のイメージですが、このクワガタは、体長わずか5mmほど。日本で一番小さなクワガタムシです。小さい上に、成虫になっても枯れ木の中からあまり出ないため、なかなか出会うことができません。見つけた時は、じっくり見てください。クワガタムシのシンボルのアゴが、小さいながらもしっかりとついているのを見ることができます。

文：えびのエコミュージアムセンター