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自治体の皆さまへ

交通事故はもうたくさん…贖(あがな)いの日々

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宮崎県三股町

■「悪夢であってほしい」(3)
(全3回) 50代 A・K

会社の社長と会社の顧問弁護士からは控訴しなさいと言われましたが、私はこのまま刑務所に服役したほうがよいと思っていました。
なぜならば、受刑生活の中で自分自身を振り返り、被害者やその御遺族に対する慰謝の気持ちを深めるとともに、心より反省して罪を償いたいと思ったからです。
しかし、この事故で会社に多大な迷惑を掛けた私は会社の説得に応じ控訴することにしました。
控訴から約2年後、最高裁で却下され、保釈の身から刑務所に服役する事になりました。現在、私は禁錮2年10か月の刑に服しています。弁護士には、何度も御遺族の方に手紙を出したいと相談しましたが、御遺族側の弁護士を通して「今は、家に来て欲しくない、手紙も受け取りたくありません」との回答がありました。
会社の社長からも、お線香を上げさせて欲しいと御遺族のもとに伺ったが叶わなかったと連絡がありました。
服役するまでの5年間、被害者の命日には欠かさず事件現場に赴き献花をして、被害者のご冥福をお祈りしました。服役中の今はそれも叶わず、何も出来ません。せめて御遺族の感情を推し量りながら、これから本当の償いを背負っていかなければと思っています。私は事件を起こしたことで、会社を解雇されましたが、私の妻は夫婦揃って被害者に償っていこうと言ってくれました。
私が起こしたのは交通事故ではなく、被害者や御遺族にとっては犯罪被害に遭ったようなものです。そのため強い怒りの感情を持たれていると思います。
愛する人を奪われ、平穏な生活を無茶苦茶にされたのですから私に怒りと憎しみを持つのは当然だと思います。私は取り返しのつかない重大事件を起こしたと心から反省しています。そして被害者やその御遺族に対して慰謝の気持ちを生涯持ち続けたいと思っています。
最後に、二度と私と同じ過ちが繰り返されないことを心から願っています。

◇贖いとは、罪を償うという意味。
ここに掲載してある手記は、交通事故を引き起こして刑務所で罪の償いをしている人たちの懺悔(ざんげ)の記録です。
一瞬の過ちによって、家族、恋人、友人など親しき人々から隔絶され、自ら犯した罪を反省している様子が文脈の端端から伝わってきます。
このような悲惨な事故を引き起こさないよう、心の戒めにしていただきたいと思います。
〔(一財)東京交通安全協会提供〕

■交通事故(人身)発生ワースト順位
県内第13位/令和5年1月31日現在(全26市町村中)
※ワースト…悪い方からの順位

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