■令和6年 328人が晴れ舞台 三股町はたちの成人式
1月5日、町立文化会館で令和6年三股町はたちの成人式(町・町教委主催)が開催されました。
令和6年の新20歳は男性168人、女性160人の計328人(町外在住の本町出身者を含む)で、うち224人が出席しました。
式典では、有馬佐恵(ありまさえ)さん、上村(かみむら)かなみさんが司会を務める中、小出水愛夏(こいずみあいか)さんが代表で町民憲章を読み上げた後、木佐貫町長が代表の中西夏鈴(なかにしかりん)さん、八重尾鴻(やえおこう)さんに「はたちの成人証書」を授与しました。続く「はたちの意見発表」では楠康成(くすのきこうせい)さんが発表。その堂々とした姿に会場から大きな拍手が送られました。
第2部の記念行事では、西川陽友(にしかわひゆう)さん、東奏汰(ひがしそうた)さんが司会を務め、中学生時代の懐かしい写真をたくさん使ったスライド上映や当時の担任教師などの恩師が登壇しての激励、本式典に参加できなかった恩師からのビデオレターの上映などがあり、会場は歓声と笑顔に包まれたほか、再会を喜ぶ姿があちこちで見られました。
今回の企画と運営を行ったのは、実行委員長の脇黒丸莉乃(わきくろまるりお)さんをはじめとする7人の実行委員。昨年8月から定期的に集まり、フォトブース設置などの準備を進めてきた実行委員へ盛大な拍手が送られました。
※「脇黒丸」さんの「脇」は環境依存文字のため、置き換えています。正式表記は本紙をご覧ください。
◇はたちの意見発表
楠 康成さん
本日は、私たちのために、このような盛大な式典を催していただき、誠にありがとうございます。私たち20歳を代表して心から感謝申し上げます。
私は20年前、三股町で生まれ、今ここにいる仲間たちとともに中学生活を送り、さらに多くの人に支えられてここまで育ってきました。
そして私は現在、大学で法律を学んでいます。法律の道を究め、日本の社会秩序を守る検察官になることを将来の目標と掲げ、日々励んでいます。また、検察官や弁護士といった法律のプロフェッショナルとして働く人々の共通原理として、「罪を憎んで人を憎まず」という言葉があります。これはかつて孔子が唱えた言葉で、「罪を憎んで罰しても、罪を犯した人まで憎んではならない」という意味です。この言葉の、中でも「人を憎まず」という部分に、20歳を迎え、これから過酷な社会を生き抜いていかなければならない私たちにとって大事なことが刻まれていると思います。現代は、地域や国家を超えて世界規模で互いに影響を与え合うグローバル社会であり、さまざまな特性の人が全員自分らしく生きられる多様性社会であると言われています。そのような社会で活躍するためには「コミュニケーション能力」が必須とされています。私は、様々な人と円滑なコミュニケーションを図るために「人を憎まず、愛する精神」が必要だと考えます。さまざまな思想を持った人が集まる社会では、当然のように意見の相違がみられ、対立が生じてしまいます。その対立が国同士であった場合、対立はやがて武力行使へと発展し、現在ウクライナやイスラエルで起こっているような戦争を引き起こしてしまいます。このような、人と人とがぶつかり合いやすい社会でこそ私たちは互いを愛し、尊重し合うことで良好な人間関係を築き上げていくことが重要であり、また、その仁愛の精神を身に付けるだけでなく、後世に引き継いでいくことがこれからの社会を担う私たちの責務であり、使命です。私はこれから、人が愛し合い、国が愛し合い、世界中が愛し合う平和な社会の構築に貢献できるよう、さらに勉学に励み、力を蓄えていく所存です。
私たちの中には、私のように学生として夢や目標に向かって日々努力している人や、就職して毎日奮闘している人など、さまざまな人がいます。立場や場所は違えども、私たちには確実に、1つの共通点があります。それは、この三股町で幼少期を過ごし、共に育ったことです。20歳を迎えた私たちは、三股町の看板を背負うものとして、たくましく、立派な社会人になれるよう、そして、三股町だけでなく、日本中、世界中で活躍できる人材になれるよう精進していくことをここにお誓い申し上げます。
最後になりますが、式典を開催してくださった主催者やご来賓の皆様、お世話になった先生方、20年間育ててくれた家族、そしてともに歩んできた仲間に、この場をお借りして厚くお礼申し上げます。まだまだ未熟な私たちを、どうか今後も温かい目でご指導ご鞭撻のほどをよろしくお願い申し上げ、はたちの意見発表とさせていただきます。
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