前目在住 田上富雄(たがみとみお)(74)さん
■展望が開ける時
◇心に残るふるさとづくり
「子どもたちの心に残るふるさとづくりをしたい」。その思いを原動力に、前目地区に山を購入、体験型ワークショップを開き、「高千穂峰」を望む展望台を作った男たち。それが、前目温故知新の会だ。代表の田上富雄さんは少年時代、まさにその山で遊んだ一人。当時の思い出を尋ねると「山にすいみっとう(水蜜桃(すいみつとう))がなっててね、それをしょっちゅう食べていたよ。私の思い出はいつも前目の自然と共にある気がするなぁ」と、目を細めた。ふるさとの匂い、風、音、色などの原風景は、心の中に大切にしまってある。今では風景こそ変わっているが、ふるさとの原風景を心に残す大切さを子どもたちに知ってもらいたいのだ。竹林の伐採が終われば、いよいよ展望台から名峰を望める。その時、子どもたちの心に、匂い、風、音、色だけでなく、その「場」を作った田上さんたちの姿が、原風景として心に焼き付くだろう。
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