前目在住 橋口幸佳(はしぐちさちか)(34)さん
■愛する馬を、晴れの舞台へ
○保育士から馬の生産者に
2年前まで保育士として働いていた橋口幸佳さんは、曽祖父から続く家業・競走馬生産にあたっている。契機は叔父で元調教師・橋口弘次郎氏のJRA殿堂入り(注)。その功績を見るうちに競馬に携わりたいとの思いが芽生え家業に専念することを決意した。「子どもの頃から馬は身近な存在。昔から大好きなんですよ」と笑顔を見せる。特に苦労するのは出産時。昼夜問わず様子を観察するほか、死産や馬体に傷がつくことを防ぐために細心の注意を払う。父・幸一郎(こういちろう)さんに学び、時に周囲の人の手を借りながら困難を乗り越える日々が続いたからこそ、育てた馬がレースでデビューする時には大いなる喜びを感じる。困難を知るからこそ生まれる不安、その不安に立ち向かわんとする覚悟で「大がかりでなくとも馬の生産を続けたい」と前を見る。家族や関係者とともに、今後も愛する馬たちを晴れの舞台に送り出していく。
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