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みらいの宮崎を創る人 フォーカス VOL.4

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宮崎県宮崎市

せとぐち ゆうのさん
笹川科学研究奨励賞受賞

『病気があっても、好きなものを食べられるようにしたい』

若手研究者の励みとなるよう、2007年に創設された笹川科学研究奨励賞。昨年度は、約300人の助成対象者のうち7つの研究領域から16人に授与。その一人に宮崎大学大学院に通う瀬戸口優乃さんが選ばれました。研究テーマは「管理栄養士が慢性腎臓病患者のための低カリウム含有サツマイモを作る」で、管理栄養士の視点で身近な問題に着手したことが評価されました。「食べることと運動が好きで、将来アスリートの食事管理ができればと、大学で管理栄養士を目指しました。しかし、実習に行ってみると、糖尿病の人などに『これを食べてはいけない』と指導する立場に違和感を覚えました。そこで病気の人でも食べられるものを作れないかと考えたんです」と瀬戸口さん。大学で卒業後の進路を模索するなか、分野が全く異なる農研機構でのインターンに挑戦。そこで、品種改良でつくった品種は世界にも届くという言葉に出合い、大学院進学を決意しました。院に入って2年目、担当の先生から提案され笹川科学研究助成に応募。見事採択され、助成金を利用してサツマイモの研究に着手しました。「助成を受けて、博士課程に進む自信がつきました。また、受賞をきっかけに学内に専用の畑をつくりました。今は苗を育てて種苗を増やすことに取り組んでいます。目的のイモができる可能性は見いだせたので、品種登録を目指したいです」と展望を語ってくれました。

・「腎臓病の人はサツマイモを食べられないと知って驚きました。家族の一人が病気だと、家族の健康な人も影響を受けます。ひとつでも食べても良いものを増やせればと思います」と瀬戸口さん。
・カリウム含有量の少ない「高系14号」と味の良い「べにはるか」を交配。従来のサツマイモよりカリウム含有量の少ない雑種作出に成功。

PROFILE
宮崎市出身。宮崎大学大学院農学工学総合研究科博士後期課程1年。令和3年に管理栄養士の国家試験に合格。同4月、宮崎大学大学院農学研究科に進学し、植物遺伝育種学研究室に所属。令和4年に笹川科学研究助成に採択される。2022年度笹川科学研究奨励賞を受賞。

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