しょうで くみこさん
医療アートメイク専任看護師
『医療アートメイクで乳がん術後に苦しむ女性を支えたい』
医療アートメイクは、皮膚の浅い部分に専用の針で色を入れていく技術。日本では医師または医師の指示を受けた看護師のみが施術を行えます。眉、アイライン、唇への施術はよく知られていますが、乳がん患者が乳房再建後に乳輪や乳頭を描く技術もあります。この技術の認知度を上げたいと「ARTMAKE CONTESTS JAPAN2023」に出場し、特別賞に輝いたのが、医療アートメイク専任看護師の正手久美子さんです。「アートメイクに出合ったきっかけは友人の乳がん発覚でした。アートメイクは、失った乳輪乳頭の色を再建するアピアランス(外見)ケアもできると知り、これなら看護師資格をいかしながら、精神面でも力になれると思ったんです」と正手さん。現在は、宮崎、滋賀、大阪のクリニックで施術を行っています。そこで眉など美容目的の施術をしながら、乳がん患者に対する胸のアートメイクで手術後の女性たちを支えています。宮崎では胸へのアートメイクがあると知らない人が多く、また、知っている人でも、乳輪乳頭の色がなくても命に関わることではないと、気になりながらも施術に踏み切れない人もいるのだそうです。しかし、施術を受けた人からは、気持ちが前向きになったという声が多く、もっと認知度を高めるのが重要だと感じています。「宮崎で施術する患者さんを増やしたいし、技術者も育てたいですね」と力を込める正手さんのこれからの活躍に注目です。
・脱毛した後の眉や乳輪乳頭の再建もする正手さん。「どうなりたいかを大事に、ゴールを一緒に考えます」
・特別賞受賞とブレストアートメイク協会の設立に向けた報告のため、昨年12月に市役所を表敬訪問。
[プロフィール]
平成14年鵬翔高校看護科卒業後、市民の森病院、宮崎善仁会病院に勤務。平成31年、医療アートメイクを始める。令和5年「ARTMAKE CONTESTS JAPAN2023」パラメディカル部門特別賞受賞。令和6年度内にブレストアートメイク協会設立を仲間と目指す。
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