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みらいの宮崎を創る人 フォーカス VOL.15

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宮崎県宮崎市

ふかみ ひろのぶさん
宮崎大学農学部教授

『これからも研究を続けて宮崎のサンゴを知り尽くしたい』

宮崎大学で長年サンゴの研究を行っているふかみひろのぶ教授は、公益財団法人黒潮生物研究所のこいどいつきさんらとの研究グループで、日南市沖の大島周辺で新種のサンゴを発見。その体の骨片の表面が牛のセンマイに似ていることから「センマイチヂミウミアザミ」と命名し、論文を国際学術誌で発表しました。「大学の修士になって沖縄に調査に出かけたとき、海に入って初めて見たサンゴの景色に感動してサンゴに興味を持ちました。サンゴの研究者は少ないので、解明できていないことも多いです。また、研究をやればやるほど同じ種類と思っていたものが別の種類と分かることもあるのです」とサンゴの分類の難しさを語る深見さん。宮崎大学赴任後に宮崎の海に入ってみると、狭いところに多様な種が生育する貴重な場所があることが分かったのだそうです。「大島周辺はソフトコーラルの種類が多いです。ただ、ソフトコーラルは研究者が少ないし、研究では骨片をいくつも顕微鏡で見て解析をするため時間と手間が掛かります。そんな地道な作業を、卒業生の古井戸君が大学院生時代から進めており、新種と発表することができました」と話す深見さん。宮崎の海にはまだまだ名前のないサンゴが多数あり、さらに新種として報告するものが今後も増えそうだといいます。「宮崎のサンゴを知り尽くしたいですし、一人でも研究の後継者が出てきてほしいですね」。サンゴに魅了された深見さんのこれからに注目です。

・宮崎でみつけた新種かもしれない石サンゴを手に。背景は30年かけて集めたサンゴの標本。
・グループで発表した新種のソフトコーラル「センマイチヂミウミアザミ」
写真提供(C)古井戸樹

≪PROFILE≫
和歌山県出身。1995年に当時在学中の大学の修士1年でサンゴの分類・系統・進化の研究を始める。そのときに沖縄で見たサンゴに感動し、現在まで約30年間サンゴの研究を続ける。2010年7月に宮崎大学赴任。おもに県内のサンゴの種の多様性などについて研究を続け、その貴重性を県内外に発信している。

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