田野・清武地域の「宮崎の太陽と風が育む「干し野菜」と露地畑作の高度利用システム」は、令和3年2月に日本農業遺産に認定されました。認定から約3年半、未来へつなぐためのさまざまな取り組みを続けています。今回は、田野・清武地域の農業の特色について紹介します。
◆江戸時代から受け継ぐ
「日本農業遺産」に認められたサステナブル(SDGs)の農業とは
田野・清武地域が誇る「干し野菜」と露地畑作の高度利用システム!!
○ポイント 「干し野菜」の始まりは江戸時代末期
清武の儒学者・安井息軒が、江戸時代末期に自然災害の備えとして短冊状に切ったカンショを干して乾燥させて保存食として蓄えるよう提唱したことがきっかけで、干し野菜文化がこの地域に浸透したと言われています。干し野菜は、必要な分量を必要な分だけ調理することによって野菜を無駄なく食すことができ、ごみを出さないエコロジー食品ともいえます。
○ポイント 年間を通した露地畑作の高度利用
夏はカンショや葉たばこを、冬は大根や高菜を栽培し、1年を通して露地で作物を栽培し、耕地利用率150パーセントの高度利用を実現しています。
→土地の有効活用!
○ポイント 畑作農家と畜産農家が助け合う耕畜連携
畜産農家から提供された堆肥を耕種農家が土づくりに活かし、耕種農家は家畜のえさとして大根の葉などを畜産農家に提供しています。
→化学肥料の低減につながる!
○ポイント 干し野菜づくりに適した気候
冬は晴天に恵まれ氷点下になりにくく、また鰐塚山から乾燥した冷たい西風が吹き下ろすことで質の良い干し野菜づくりに適した環境となっています。
◆日本農業遺産って?
地域の社会や環境に適応し、何世代にもわたり継承されてきた独自性のある伝統的な農林水産業と、その農林水産業により育まれた文化や地域(農林水産業システム)を農林水産大臣が「日本農業遺産」として認定します。令和5年1月現在、24地域が認定されています。
▽千切り大根
太くて重い青首大根を細切りにし、大根棚に広げて1日から2日乾燥させます。千切り大根は冷凍保存も可能で、保存食としても注目されています。
▽干し大根
2本の細くて長い白首大根を結束して大根やぐらに干していきます。できあがるまでに約2週間かかります。できあがった干し大根はたくあんの原料として、漬物業者や物産センターなどに納品されます。
◆未来へ向けてさまざまな取り組みをしています
○干し野菜を使った料理教室
生産者自らが講師となり、一緒に料理を行うことで地域の方々に対して干し野菜の魅力を発信しています。この日は干し大根を使った漬物を作りました。
○小学生向けの出前講座
生産者が、実際に作った干し野菜を見せながら、できあがるまでの工程について田野・清武地域の小学生に出前講座を行っています。
○これからのイベント情報
・大根やぐらライトアップ
日時:12月13日(金)から令和7年1月16日(木)午後6時から午後10時まで
場所:田野体育館付近ほ場
※詳細はホームページに掲載
・冬の風物詩 大根やぐら展
期間:令和7年1月10日(金)から14日(火)9時30分から午後6時まで
場所:宮崎ブーゲンビリア空港 1階オアシス広場
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[SDGs9]産業と技術革新の基盤をつくろう
強固なインフラ構築と持続可能な産業化の促進およびイノベーションの推進を図る。
[SDGs15]陸の豊かさも守ろう
自然の恵みを守り、回復させ、持続可能な形で利用できるようにする。
問い合わせ先:
田野総合支所 農林建設課【電話】86-1114【FAX】86-1987
清武総合支所 農林建設課【電話】85-1105【FAX】85-1496
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