百足塚古墳から出土した、男性埴輪の顔と胸から右腕にかけてと、上着の裾の資料です。直接つながる部分はありませんが、粘土や作りから同じ埴輪の破片と考えられます。髪を左右で束ねた美豆良(みずら)という髪型で頭に被り物を被り、首飾りもつけています。鼻筋の通った人物で、部分的に赤い顔料が残っています。百足塚古墳では、ひざまづいて何かを唱えている様子の人物や、馬をひいている人物、弓をひいている人物、巫女など様々な人物埴輪が出土しており、それぞれ別の役割を持つ人物を表しています。この埴輪がどんな役割があったかは分かりませんが、作りが丁寧であることから、身分の高い特別な人物(貴人)の埴輪であると考えられます。
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