中部病院は、昭和27年8月、南那珂中部健康保険直営診療所として診療を開始して以来、これまで日南・串間地域の一次医療・二次医療を幅広く担う、いわば「準中核病院」として、地域住民の医療の確保と医療水準の向上に努めてきました。
平成19年には、一般病棟の一部を機能転換して回復期リハビリテーション病棟を開設し、県南地域でいち早く、回復期リハビリテーション医療の提供を開始しました。
また、平成25年4月からは「在宅療養支援病院」の施設基準を取得し、訪問診療・訪問看護の365日24時間体制を確保することで、地域住民が安心して在宅療養に専念できる環境を整え「病気になっても住み慣れた自宅で過ごしたい」「人生の最期を自宅で迎えたい」と願う患者さんの思いに応えるべく、在宅医療を提供しています。
◇訪問スタッフ一同
中部病院では、このような取り組みを通して、患者さんやそのご家族の思いに寄り添えるよう、日々努めております。これからも、日南市で在宅医療を希望される皆さまの支えとなれるよう、スタッフ全員で考え、工夫し、努力を重ねてまいります。
◇日南市立中部病院 病院長 中津留邦展
日南市立中部病院は「地域住民に親しまれ、信頼される病院」を基本理念としています。また公立病院の役割として、日南串間医療圏全体の救急医療体制を効率的に運用する観点から、県立日南病院や日南市消防本部と連携し、中部病院では軽症・中等症の患者を中心に受け入れるなど、救急告示病院として常時病床を確保し、休日・夜間を含め365日救急患者に対応しています。
さらには、皮膚科や耳鼻咽喉科など市民のニーズに比べて地域の医療資源が不足している分野について、診療機能の確保と充実に努めるとともに、市民の健康維持のため検診や保健指導なども積極的に実施しています。
これからも、地域に必要とされる医療を提供し、市民の健康増進にも積極的に関わることにより、中部病院があってよかった、暮らしの助けになったと思ってもらえるような、市民の皆さまから真に必要とされ、親しみを持っていただける病院づくりを行ってまいります。
病院長 中津留邦展 医師
・日本内科学会認定医
・日本糖尿病学会認定糖尿病専門医
・日本人間ドック学会人間ドック専門医
・日本医師会認定産業医
■おしりのお悩み(痔)について
外科 池田先生
痔でお悩みの方はとっても多いです。お尻の痛みやいぼ痔、かゆみなどで悩んでいるけど恥ずかしくて誰にも相談できず、人知れずなんとか工夫しながら過ごされているっていう人は、あなただけではありません。
痔にはいぼ痔(内痔核(ないじかく))、外痔核(がいじかく))、切れ痔(裂肛(れっこう))、あな痔(痔瘻(じろう))などの種類があります。ここでは、いぼ痔についてお話ししてみましょう。
いぼ痔の症状は多くの場合、排便した時に出血する、排便時に痔が出てくるなどが主な症状です。実は、いぼ痔だけでは痛みは伴わないことも多いのです。いぼ痔はお尻の奥の方にできる内痔核(排便時に出てきて自然にもどる、あるいは自分で押し込むともどる)と外側にできる外痔核(普段からでっぱなしで押し込んでも中に入らない)とに分けられます。時には内痔核と外痔核が両方腫れていることもあります(実はどちらかというとそっちのほうが多いのですが)。
痔の手術というと以前は切除がほとんどで手術後の痛みも強かったのですが、今では特に内痔核だけの場合にはジオン注という注射薬だけで治療することもできるようになってきました。その場合、治療後の痛みもずいぶん軽くなっています。人知れずお尻のことで悩んでいる方、お気軽にご相談ください。
■皮膚科の診療について
皮膚科 根本先生
外来診療は月曜日から金曜日の終日行っています。現在は待ち時間緩和のため事前予約制とさせていただいていますが、救急処置が必要な場合やお子さまの疾患などは当日でも受付可能です。
皮膚や爪のトラブルでの患者さんも多く、火曜日と木曜日の午後は皮膚外科手術も行っています。特に皮膚疾患については、相談しにくい方も多いかもしれませんが、原因や治療方法を本人や周りの方に理解してもらうことが大切です。お気軽にご相談ください。
現在は病院での診療のみ行っていますが、高齢化が進んでいる日南市では、地域的な状況をもあり、今後、通院が困難な患者さんも増えてくると思われます。将来的には皮膚疾患でも在宅で診療できるようなシステムが必要だと考えています。
外来通院できずに困っている患者さんがひとりでも少なくなるよう、在宅診療体制の構築を目指していきたいです。
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