ノロウイルス食中毒は、冬場は特に注意が必要な食中毒です。年間を通じて発生はありますが、患者数のうち約半分が11月~2月に集中します。さらに、食中毒1件あたりの患者数が約37人と他の食中毒と比べて多いため、大規模な食中毒になりやすい傾向にあります。
ノロウイルスは、感染後24~48時間で発症し、主な症状は吐き気、嘔吐、下痢および腹痛です。症状は通常1~2日で回復しますが、ワクチンや特効薬もないため、体力の弱い乳幼児、高齢者では重篤化することがあり、注意が必要です。
原因食品として牡蠣などの二枚貝が有名ですが、最近ではノロウイルスに汚染された湧き水を使用した料理による食中毒も報告されています。
ノロウイルスを始めとしたウイルスは一般的に熱に弱いです。汚染のおそれのある二枚貝などの食品は、85~90℃で90秒以上加熱してから食べるようにしましょう。併せて、調理器具の消毒をすることも重要です。まな板やふきんなどの調理器具は85℃以上1分以上の加熱または家庭用の次亜塩素酸ナトリウムを含む塩素系漂白剤を使用して消毒をしましょう。
また、手指に付いたノロウイルスの除去も食中毒防止のためには重要です。調理を行う前、食事の前、トイレに行った後、下痢などの患者の汚物処理やおむつ交換などを行った後には、必ず手を洗ってウイルスを洗い流しましょう。その際、消毒用エタノールによる手指消毒は、石けんと流水での手洗いの代用にはなりませんので、注意してください。
冬は食べ物がおいしい季節です。食中毒には十分注意して、安全で安心な食事を楽しみましょう。
食中毒予防の問い合わせ:
宮崎県日向保健所衛生環境課【電話】52・5101
健康増進課健康づくり係【電話】66・1024
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