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地域包括医療局からのお知らせ

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宮崎県美郷町

美郷町国民健康保険西郷病院内科の北條健人です。
夏や秋、季節の変わり目はハチに刺されたり、ヘビに咬まれる事故が多く発生しますので十分に御注意ください。今回は、ハチに刺されたり、ヘビに咬まれたりしたときにどう対応をするとよいのかを紹介します。

■ハチに刺されたら
刺すハチとしてはアシナガバチ、スズメバチが代表的です。アシナガバチやスズメバチの場合は、庭木の手入れや農作業、林業、ハイキングなどの際に刺されることが多く、特に秋の野外活動での被害が多いので注意が必要です。時には、越冬するために室内に侵入したハチに刺されることもあります。ミツバチに刺されるのは養蜂家の方々が多く、一般人が刺されることは稀です。

○ステップ1-まずは落ち着いて安静に-
まずは落ち着いて対応してください。20~30分ほど様子をみて、異常がないようならひとまずは安心です。途中で少しでも様子がおかしいと思ったら、直ちに医療機関で受診してください。医療機関で受診するまでに、刺された傷口を流水でよく洗い流しましょう。ハチの針が残っている場合は、指でつまんで毒液を再注入しないようにそっと抜きましょう。濡れたタオル等で冷やし、患部は安静にしてください。

○ステップ2-ハチに刺された時の症状-
ハチに刺されると、まず激しい痛みが出現し、赤く腫れます。これはハチ毒の刺激作用によるもので、初めて刺された場合、通常は1日以内に症状は治まります。しかし、2回目以降はハチ毒に対するアレルギー反応が加わるため、刺された直後からじんましんを生じたり、刺されて1~2日で強い発赤や腫れを生じたりします。この反応には個人差が大きいですが、ひどい場合は刺されて30分~1時間で呼吸困難、腹痛、意識消失や血圧低下などを生じて、死に至ることがあります。これはアナフィラキシーショックと呼ばれる症状で、ハチ刺されによる死亡事故はこの特殊なアレルギー反応によるものです。

○ステップ3-病院・専門機関への連絡・受診-
一度に多くのハチに刺されたり、刺された直後に、呼吸困難、顔面蒼白、全身のじんましん、吐き気、激しい悪寒などのショック症状、前述のアナフィラキシー症状を疑う症状がある場合は直ちに医療機関で受診が必要です。状況によっては救急車を呼びましょう。

■ヘビに咬まれたら
暑い時期にはマムシ等の毒ヘビに咬まれる可能性が高くなります。
○ステップ1-まずは落ち着いて安静に-
ひとまず、日本の身近な毒ヘビに咬まれて即死することは、まずありません。
しかしながら、誤った対処や放置を続けると、重症化する可能性も少なくはありません。ひとまず落ち着いて、冷静に状況を見極めてください。咬まれた場所が家の庭や道ばた、田畑などの市街地であり、緊急の連絡が可能かつすぐに病院へ行けるのであれば、それが第一です。山中など、市街へ行くまでに時間を要する状況である場合は、安静にしながらステップ2へ移って下さい。以前は止血や毒を吸い出す、傷口よりも心臓側を布で縛るなどがいいと言われていましたが、ここ最近あまり推奨されておりません。安易に処置をすると、かえって状況を悪くします。

○ステップ2-毒ヘビかどうかの確認-
毒ヘビかどうかを判断する材料として、一番有効なのは『写真』です。体の一部が写っているだけでも、専門家であれば判別が可能です。決して無理をする事なく、可能な場合のみ咬まれたヘビの姿を撮影しておいて下さい。難しい場合は特徴をメモするなどして情報を記録しましょう。ヘビの種類を正確かつ瞬時に判別する事は難しく、一般の方にはほぼ無理です。ひとまずは上記の情報を確保した上で、ステップ3へ進みましょう。

○ステップ3-病院・専門機関への連絡・受診-
咬まれたヘビが毒ヘビである可能性がある場合は、体の安静を確保しながら、病院への連絡をしてください。救急へ連絡をすれば、救急車が必要かどうかの判断をしてくれます。周りに連れて行ってくれる人がいる場合、または呼べる場合も含め、咬まれたヘビが、例え毒ヘビであっても、アナフィラキシーショックを除き、一刻を争う事態につながることは極めて少ないため、慌てなくて大丈夫ですが、安静にしつつなるべく早く対処を済ませましょう。携帯本体または電波が無い状況(山奥など)で、連絡手段が確保出来ない場合は、なるべく体の血液を循環させないよう安静を保ちつつ必要最小限の運動量で人か連絡手段を探すようにしてください。

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