こんにちは、西郷病院感染対策委員会です。今回は毎年、秋から冬にかけて流行する「感染性胃腸炎」についてお話させていただきます。
感染性胃腸炎とは、病原性大腸菌やサルモネラなどの細菌、ノロウイルスやロタウイルスなどのウイルス等により起こる胃腸炎の総称で、そのうち、ウイルス性の胃腸炎は例年11月上旬から増加し始め、12月をピークに一旦減少しますが、1月~3月頃に再び増加する傾向にあるようです。
感染し、辛い経験をしたという人も多いのではないでしょうか。
人によっては感染しても発病せずにウイルスを排出する場合もある為、知らない間に周りの人が感染してしまうこともあるようです。
潜伏期間は平均1~2日で、感染力が強く、主な症状は下痢、吐き気、嘔吐、腹痛です。通常は軽症で症状は1~3日続きます。しかし、発熱する場合もあり、症状がひどい場合は脱水症状を引き起こすこともありますので、特に小児や高齢者では注意が必要です。また、ウイルスは、感染後1週間、長いときは、1か月程度の期間、ふん便中に排出されることがあるとの報告もあります。
新型コロナウイルスが流行し、手洗い、アルコール消毒が当たり前の日々になってきましたが、感染性胃腸炎の原因ウイルスには、アルコール消毒は効果が弱い性質があります。効果のある消毒液としてあげられるのが「次亜塩素酸ナトリウム」。ご家庭で使用されている人も多くいらっしゃると思いますが、「キッチンハイター」にその成分が使用されています。洗濯用のものではなくキッチンハイターです。キッチンハイターで希釈液を作る方法を紹介します。
■次亜塩素酸ナトリウム液の作成方法(キッチンハイターを使用する場合)
(1)便や吐物が付着した床やオムツなどの消毒:塩素濃度1000ppm(0.1%)
水500ml+ペットボトルキャップ2杯(約10ml)
(2)トイレの便座やドアノブ、床などの消毒:塩素濃度200ppm(0.02%)
水1000ml+ペットボトルキャップ1杯(約5ml)
感染性胃腸炎の予防で一番大事なことは、何といっても手洗いです!他の病気の予防にも有効ですので、日頃から手洗いの徹底を心掛けましょう。
ノロウイルスの迅速検査キットのある病院もありますので、症状がある方は、かかりつけ医にご相談ください。
お問合せ:西郷病院
【電話】66-3141
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