美郷町国民健康保険西郷病院内科の北條健人です。
本格的な夏が始まりましたね。強い日差しや高い気温にさらされると、体は汗をかいて体温を調整しようとしますが、この時に気をつけたいのが「脱水」です。
■脱水症とは
「脱水症」とは、体内の水分が足りない状態のことをいいます。「脱水」になると、自覚症状としては口の渇きや体のだるさ、立ちくらみなどを訴えることが多いです。皮膚や口唇、舌の乾燥、皮膚の弾力性低下、微熱などが起こります。そのほかに食欲低下、脱力、意識障害、血圧低下、頻脈なども出現しやすいです。
■高齢者は特に注意が必要!
体内の水分量は年齢によって違います。体重あたりの割合でみると、小児が75%、成人が60%、高齢者が50%ほどです。高齢であればあるほど、体内の水分量が低いため、脱水を起こしやすくなります。また高齢者は喉が渇いたと認識する「口渇(こうかつ)中枢」が年齢の影響で衰えており、喉の渇きを感じにくくなります。これも高齢者が脱水症を起こしやすい理由の一つです。
■脱水症にならないように
1日に必要な水分量を把握してきちんと摂取できているか、本人だけでなく周囲も意識して確認するようにしましょう。その日の体調や運動量などによって、普段より多めに水分補給が必要なこともあるため注意が必要です。
室内の湿度・温度管理をしっかり行いましょう。冬場、部屋が乾燥している場合は、加湿器の使用や濡れタオルを干すなどして湿度を上げます。夏の暑い日はエアコンを使用して室内の温度を適温に保ちましょう。就寝中にエアコンを使わずに脱水症を引き起こすケースは少なくありません。エアコン嫌いや節電のためにエアコンの使用を避ける方もいますが、命に関わる危険もあるため積極的に使用して室内環境を整えましょう。
■水分補給について
一度に大量の水を摂取すると、かえって体内の電解質(体内の塩分やカリウムなどのミネラル)のバランスが崩れる場合があります。水分補給をする時には、あわせて塩分やミネラルの補給も意識していただければと思います。市販のスポーツドリンクや経口補水液を飲むほか、水や麦茶の場合には、塩分も一緒に補給しましょう。水分補給は、のどが乾く前に少量ずつ飲むことが大切です。一気に大量に飲んでも吸収が悪く、水分が吸収されるのも多少の時間は必要となるため、常日頃から水分と塩分の補給を心がけるようにしてください。
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