■都於郡城跡と伊東マンショを地域活性化に!
今年5月2日、NHK総合テレビで都於郡城跡が放映され、中世の山城として「日本最強の城」に選ばれました。ドローンで空撮された勇姿は壮大な5つの城郭で構成されています。番組で紹介されてから、城好きや歴史好きの観光客が増えているようです。中世には城主であった伊東氏が都於郡城を本城として47の支城を従えていたとされ、日向国最大の勢力を誇っていました。
伊東マンショは都於郡で誕生しましたが、まもなく島津氏から攻められ、8歳のころ、豊後国に落ち延びていきました。その地のキリシタン大名・大友宗麟のもとでキリスト教に出会い、有馬のセミナリヨに入校し、その2年後には、天正遣欧少年使節として出航しました。ポルトガル、スペイン、そしてイタリアを訪問し、ローマ法王グレゴリオ13世に謁見しました。彼らはヨーロッパに日本のことを紹介し、日本にはヨーロッパの優れた文物を持ち帰りました。帰国するまで8年間かかったとのことです。
近年、イタリアで当時の伊東マンショの肖像画が発見されましたが、その画が表紙に使用されている『伊東満所よ蘇れ!』という本が都於郡城史文化研究会から出版されました。市としましても、都於郡城跡の保存と伊東マンショの顕彰はしっかり行っていかなければなりません。同時に、これらの歴史的遺産を地域活性化に活用していくことも大切だと思います。
神楽酒造株式会社の西の都アグリ館内に(仮称)都於郡社会教育施設ガイダンスセンターが来年6月にオープン予定です。この施設を拠点に都於郡の歴史的魅力を広く市内外に発信してまいりましょう。皆さんのご理解とご協力をお願い申し上げます。
橋田 和実
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