■「鹿児島御廻文留(おまわしぶみとどめ)」
都城島津邸には、江戸時代の役人が書き残した行政文書が多く残されていて、都城島津家の領内政治の在り方を探ることができます。
今回紹介する「鹿児島御廻文留」は、そうした古文書の中の一つで、鹿児島の本家から通知されるさまざまな文書を書き写し冊子にまとめたものです。表題の廻文とは回覧文書のことで、一通の通知文書を複数の機関で回し読むことを指します。
本史料にとじられた141件の通知文書の中には、領地の外に出してはいけない品物に関するものがいくつかあり、延宝5(1677)年の覚書には定番の「鉄砲」だけでなく「霧島つつじの木」や琉球の品々についての記述もあります。政治的通達でありながら、当時の産物や風俗の情報も収録されている本史料。これらを読み解くことで、江戸時代の鹿児島藩の様相をうかがい知ることができます。
※都城島津伝承館は、展示設備改修のため3月15日(金)まで臨時休館しています
問い合わせ:都城島津邸
【電話】23‒2116
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