■富の象徴~都城跡出土の華南三彩~
16世紀に中国華南地方で生産された華南三彩(かなんさんさい)。緑・黄・紫の三色で彩られた陶器で、日本では、室内の飾りや茶の湯の道具として輸入されたと考えられています。また、大名や商人に関わる遺跡でよく出土することから、高価で珍重されていた品であったことが推測できます。
昭和の終わりから平成の始めにかけて行われた都城跡(都島町)の発掘調査では複数の華南三彩陶器が見つかっていて、戦国期の領主もこれらを手に入れていたことが分かりました。中でも鳥の形をした水差しである鳥首形水注(とりくびがたすいちゅう)が南九州で発見されることは珍しく、希少価値のある資料といえます。
これらの陶器は小さな破片ですが、南蛮貿易を通してもたらされたとも考えられていて、当時の領主らの富の象徴であるとともに、国際色豊かな世情の一端を垣間見ることができます。
※本資料は、都城歴史資料館で展示中
問い合わせ:文化財課
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