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【特集】SPECIAL FEATURE 関之尾公園再生から始まる― 1

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宮崎県都城市

都城市の観光地といえば真っ先に名前が挙がる関之尾公園。雄大な霧島ジオパークに囲まれる同公園では、「日本の滝百選」に選ばれている「関之尾滝」や、長い年月をかけて火山の噴火や清流でできたとされる国の天然記念物「関之尾甌穴(おうけつ)群」など固有の自然景観に目を奪われます。また、地元産品を販売する「滝の駅せきのお」や、宿泊施設「関之尾緑の村」などを備え、観光名所として名をはせてきました。宿泊体験や夏休みの遊水、知人の案内など、市民の皆さんそれぞれの思い出もあることでしょう。
一方で、滝の見学とトイレ休憩を短時間で済ませる「通過型」の団体客が多く、施設の老朽化も相まって、市を代表する景勝地でありながら地域の活力に十分寄与できていない状況が続いていたことから、市としても打開案を模索していました。このような中、アウトドア用品メーカー「スノーピーク」に関之尾公園のリニューアル計画についてアドバイスを求めたことをきっかけに、状況は好転していくことに。
高品質なキャンプ用品で知られるスノーピーク。熱心なファン「スノーピーカー」に支持される革新的な製品の展開や全国各地でキャンプフィールドの運営などを行っています。キャンプと地域産業を結び付ける地方創生も全国各地で実践している同社。これらの知見を生かし、関之尾公園全体の豊かな自然を余すことなく楽しんでもらうことをコンセプトに、本年4月27日、「通過型」から「滞在型」への移行を目指して同公園はリニューアルオープンしました。
リニューアルには、市や同社に加え、関之尾公園がある庄内地区住民も参画。元来、住民主体の活動が盛んな同地区では、リニューアルを地域活性化の起爆剤とすべく、さらに活動を活発化させています。
自然を感じながら心豊かなひとときを過ごせる関之尾公園。宮崎市から訪れた友人を案内していたのは、市内在住の吉住玲音(れお)さんです。吉住さんは「自然あふれる公園を散策したり、レストランでテイクアウトしたコーヒーを飲んでくつろいだり。緑の中で自然と心がほぐれ、久しぶりに会う友人と楽しくお喋りできました」と笑顔を見せてくれました。
今回の特集では、生まれ変わった関之尾公園を紹介するとともに、その波及効果などについて住民や事業者の声を聞き、専門家にもインタビューを行いました。さらに、キャンプや散策、食事など、さまざまな目的で公園を訪れている人たちの笑顔をカメラに収めました。市民の皆さんが胸を張って自慢できる関之尾公園。本特集でその魅力が少しでも伝わることを願っています。

■スノーピーク 都城キャンプフィールド
場所:関之尾町6615-2
営業時間:10時~18時 水曜定休
問い合わせ:【電話】57-8881

・1 モバイルハウス「住箱ーJYUBAKOー」
著名な建築家・隈研吾氏とスノーピークの共同開発。木のぬくもりを感じながら快適に過ごせます。

・2 コテージ
テントを持っていない人も自然を満喫できるコテージ。屋外デッキからの絶景をお楽しみください。

・3 ストア
南九州初のスノーピーク直営店。店舗限定品や地元特産品など、都城の魅力が詰まった商品がそろっています。

・4 レストラン~Blue Birdd ining~
焼きたてのパンや地元食材を楽しみながら、童話「青い鳥」のように「小さな幸せ」を見つけられる空間です。

・5 スノーピークカフェ
名産品「都城茶」と地元食材にこだわった自家製スイーツがおすすめ。ふわふわのドーナツは大人気メニューです。

・6 キャンプフィールド
開放的な川沿いのキャンプサイト。関之尾滝を眺めながらキャンプを楽しめる区画もあります。

・7 関之尾滝
滝の前の吊り橋からは壮大な滝を間近に見られます。落水の飛沫(ひまつ)と太陽光が作り出す虹が見えることも。

・8 庄内川・関之尾甌穴群
川底に広がる世界最大級の甌穴群。庄内川の水流と朝靄(もや)が織りなす幻想的な風景も見どころです。

滝を見て散策をしたり、ストアで買い物をしたり、レストランやカフェでゆっくりとくつろいだり。お気に入りの過ごし方を見つけに来ませんか。
(スノーピーク都城 一丸賢人さん、髙橋弥生さん、田中芳正(よしまさ)店長)

◆自然と人の新たな物語
「庄内川の朝靄がかかる光景が忘れられない」と語るスノーピーク地方創生コンサルティングの若松隆一シニアマネージャー。4年前に関之尾公園内で1泊2日のモニタリングキャンプを体験した若松さんは「宿泊してこその魅力を新たに数多く発見した」と振り返ります。同公園再生には、整備段階から若松さんをはじめとしたスノーピークスタッフが運営予定者として関与。「開発ありきではなく、今ある自然を楽しんでもらう」ことを念頭に、公園の地形や自生の植物を生かしてキャンプサイトや直営店、遊歩道をバランス良く配置しながら、リニューアルが進められました。
若松さんが語る関之尾公園の一番の魅力とは、十人十色のお気に入りの場所が見つかること。生まれ変わった同公園を前に、若松さんは「いわゆる絶景スポットをピンポイントで巡るのではなく、ゆっくり滞在することで、季節や天候、時間帯によって変わる自然景観に出会ってほしい」と力を込めます。また、同公園の大きな特徴は、キャンプをする人もしない人も1日中楽しめる点。キャンプフィールドのほかに宿泊施設であるコテージやモバイルハウスの設置など、スノーピークとしての初の試みも複数あります。
「市民の皆さんにとって関之尾公園が、親戚や知人などが都城を訪れた際に連れて行きたい自慢の場所になってほしい」と願いを込める若松さん。自然と人が織りなす新たな物語が、関之尾公園から始まろうとしています。
スノーピーク地方創生コンサルティング 若松隆一 シニアマネージャー

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