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【特集】SPECIAL FEATURE 関之尾公園再生から始まる― 3

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宮崎県都城市

■関之尾公園の新しい物語 ーあなたも主人公にー
時代とともに変化する観光のあり方。正解がないからこそ、人を惹(ひ)きつけるには、地域の実情に応じた創意工夫が必要です。関之尾公園はどのような可能性を秘めているのでしょうか。2人の専門家にインタビューを行うとともに、市担当者の思いを聞きました。

○地域間で連携し、周遊性を高める仕組みづくりを
都城市のみならず県を代表する景勝地である関之尾公園。私も家族で訪れたことがある思い出深い場所の一つです。その関之尾公園が、スノーピークのキャンプフィールドとしてリニューアルされたことは、本県の観光業界でも大きなトピックでした。
旅行客一人当たりの消費額が低い本県では、「泊まってもらう」「食べてもらう」仕組みづくりを地域内のみならず地域間で構築していくことが肝要です。関之尾公園が地域の観光の核となり、地域内外との連携を強くすることで観光客の周遊性が高まることを期待しています。今年度開通予定の都城志布志道路により、鹿児島県域と都城の距離はさらに近くなります。関之尾公園が都城の観光の間口となることで、志布志港を通じて、鹿児島だけでなく関西からの観光誘致も可能でしょう。また、自然豊かな霧島ジオパーク内に位置するというつながりを生かし、西諸県地域や鹿児島県の大隅地域との連携も十分可能ではないでしょうか。
奥ゆかしい県民性からか、「宮崎には何もないよ」と言いがちな私たちですが、そんなことはありません。まずは、市民・県民一人一人が地元の観光地に愛着を持ち、その魅力を外に発信していくことが大切だと思います。
宮崎県観光協会 総務企画・スポーツランド推進局 秋岡敬信(ゆきのぶ) 局長

○自然と人の調和 関之尾公園が新たな輝きを放つ
これまでの関之尾公園は、施設の老朽化に加え、樹木が育ちすぎて陽が当たらず暗いイメージがありました。日本の気候では、植物に手を入れず放置すると過剰に繁茂し、景観の乱れだけでなく、病害虫の発生や安全性の問題も生じる可能性があります。人の手が入らないありのままの自然が、必ずしも私たちがイメージする美しい自然景観であるとは限りません。リニューアルでは滝や川への眺望を重視しながら、自然にも適切に手が入りました。結果、木々の間から太陽の光が差し込み、ストアやコテージなどの建築物から眺める風景は、きらめくような美しさを見せてくれます。この美しい景観を維持するには、今後もメンテナンスが必要で負担もあるかと思いますが、継続的な取り組みが望ましいでしょう。
また、関之尾公園を含む周辺地域は子どもたちにとっても自然学習の場として最適な場所です。豊かな自然の中で、フィールドワークや自然観察、自然体験などを通して、「自然を守り、大切にする心」が学べます。さらに、幼少期の思い出は、大人になったときのふるさとに対する思いにもつながるでしょう。都城を離れたとしても、関之尾公園が故郷と人々を結ぶ架け橋になることを期待しています。
南九州大学環境園芸学部 環境園芸学科 平岡直樹 教授

○観光の新たな可能性を拓(ひら)くために
青島や霧島温泉郷など名だたる観光地の間に位置する関之尾公園。長年、短時間の休憩場所と捉えられている面がありました。市の観光を推進するために、「どうにかしたい」と検討を重ねる中、縁あってスノーピークと共にリニューアルに取り組むことに。同社選定の決め手は、「関之尾の魅力を最大限伝えられる設計」「地元のものを大切にする姿勢」「キャンプ場運営の実績」の3点でした。
コロナ禍を挟み長期化した計画期間中、スノーピークや地元関係者などと喧々諤々(けんけんがくがく)の議論を重ねました。重視したのは地域との共生。地域に愛されない施設は長続きしません。また、地元産業の振興にもつながる取り組みも模索する中、10月には市内蔵元とスノーピークが共同開発した焼酎や梅酒を発売。願っていた夢が叶い喜びもひとしおでした。一方で、これはあくまでスタート。今後もさまざまな人たちと連携し、地域の資源を磨き上げ、観光の可能性を切り拓いていきたいです。
観光スポーツPR部 原口文代 部長

■関之尾公園で新しい物語を紡ぎませんか
地域の熱意や行政の実行力に、関之尾の魅力を存分に引き出す企業のビジョンが掛け合わさって実現した、今回のリニューアル。立ち寄り、滝を眺めるだけの〝観光地〟ではない、さまざまな過ごし方ができる〝特別な場所〟が私たちのまちに誕生しました。
朝靄をたたえた庄内川を眺め、コーヒーを片手にゆったりと過ごす朝。
関之尾の空気を胸いっぱいに吸い込みながら、緑の中を散策する昼下がり。
遠くに滝の轟(とどろ)きを聴きながら、はぜる焚き火の炎を見つめる夜のキャンプ。
十人十色の過ごし方ができる関之尾公園で、これからも訪れる人たちによってさまざまな物語が紡がれるでしょう。
関之尾公園の新しい物語はまだ始まったばかり。もっとこの場所を愛し、誇り、私たち自身でその1ページを紡いでみませんか。

問い合わせ:
・みやこんじょPR課【電話】23-2615
・秘書広報課【電話】23-3174

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