■~正月を迎えるための伝統行事~「シラスまき」「オヤシ床(オヤシづくり)」
年の瀬の12月28日・29日に、シラス(火山灰)を自宅の敷地一面にまく都城盆地の伝統的な風習である「シラスまき」。雪や塩に見立てた白いシラスをまくことで、場を清め、先祖の霊を迎え清新な気持ちで新年を迎えるだけでなく、牛馬の寝床にしたり、冬場の霜解けや雨で泥が付着したりするのを防ぐ役割も兼ねていました。一方で、シラス層は崩れやすく採取中の人が下敷きになる事故が度重なったため、昭和30年代を境に徐々に姿を消していきました。それでも一部の家庭では、先人の思いを受け継ぎこの伝統を守り続けています。
また、都城盆地の正月料理に欠かせない「オヤシ」は、かつては家庭で準備するものでした。湧き水の水源近くの小川で、むしろ・わらで覆ったオヤシ床を作ったり、湧き水を利用できない家庭では、大豆が入ったざるを井戸に吊るしたりして、オヤシを育てていたそうです。大豆の子だくさんにあやかり、子孫繁栄を願う食べ物とも言い伝えられています。
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