■築池(ちくいけ)地下式横穴墓群出土と伝わる須恵器(すえき)
写真の土器は、築池地下式横穴墓(下水流町)出土と伝わる、約1600年前の古墳時代に作られた陶質の土器(須恵器)です。
出土した須恵器には、壺を乗せるための大きな台(器台(きだい))やマグカップに似た容器(把手付埦(とってつきわん))、脚がついた皿(高坏(たかつき))があり、いずれも日本で須恵器生産が始まったころに作られたものです。
把手付埦と右の高坏は韓国南部で出土した5世紀初期の陶質土器と酷似している一方、器台と左の高坏は愛媛県にあった市場南組窯系(いちばみなみぐみようけい)の須恵器と酷似していて、それぞれの地域で作られた可能性があります。
このような初期の須恵器が南九州で発見された例は多くありません。このため本資料により、古墳時代に地域間で交流があったことをうかがい知ることができます。
※本資料は常設展で展示しています
※写真は本紙21ページをご覧ください。
問い合わせ:文化財課
【電話】23‒9547
<この記事についてアンケートにご協力ください。>