■「桜に雀」
花房 芳洲(ほうしゅう)作 (制作年不明)
作者の花房芳洲(1905~1975)は、本市庄内町に生まれました。京都の美術学校で日本画を学び、卒業後は市内の小学校や鹿児島県内の高校で熱心に後進を指導し、当時洋画が盛んだった鹿児島で日本画の魅力を伝えました。
本作は、旧都城市の岩橋辰也元市長から美術館に寄贈されたものです。桜の白い花とつぼみが点々と描かれた画面を枝と幹が斜めに横切る大胆な構図は、華やかで洗練された印象を与えます。薄くのせた絵の具が花びらの柔らかな質感を表現し、軽やかに飛ぶ雀の羽根は細部まで入念に描かれていて、花鳥画を得意とする作者の細やかな筆遣いが際立つ作品となっています。
※本作は3月12日(火)から5月6日(月)まで開催する収蔵作品展「センス・オブ・ワンダー」で展示予定
問い合わせ:市立美術館
【電話】25-1447
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