■「御鉄砲帳 御道具牒(おどうぐちょう) 二ノ二」
この史料は、1778(安永7)年7月に、都城島津家の諸道具管理を担う御納戸方役人(おなんどかたやくにん)5人が作成した鉄砲台帳です。既存の帳簿を見ながら鉄砲の照合作業が行われていましたが、削除部分が多く作業に支障が出たため、新たに清書したようです。江戸時代においても、こうした照合作業が重要視され、正確な物品管理がなされていたことがうかがえます。
2分冊にわたり約130挺(ちょう)もの鉄砲が記載されている本鉄砲台帳。そのうちの約6割が鹿児島藩内で生産されたとみられる「薩摩筒」という火縄銃です。「薩摩筒」は、発火装置や装飾など、他地域のものとは異なる特徴を備えていて、同藩の独自性が垣間見えます。また、この台帳には、都城島津家がその銃を大量に所有していたことも記されています。
江戸時代における銃管理の綿密さと、都城島津家がいかに武器の備えを行っていたかがうかがえる貴重な史料です。
問い合わせ:都城島津邸
【電話】23‒2116
※都城島津伝承館は、展示設備改修のため8月2日(金)まで臨時休館
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