■「『庄内地理志』巻六十六 北郷・中之郷・南郷・都城・都島由来」
江戸時代後期に編さんされた「庄内地理志」巻六十六に収録されている本史料。都城島津家に関する記録の調査や保存を担った「庄内旧伝編集方」により、北郷や都城、都島などを含む地名の由来について書かれています。
「都城」という名称は、古(いにしえ)に天皇(宮様)の住む場所だったという言い伝えから宮古(みやこ)となり、そこに城があったことから宮古城(みやこのじょう)となりました。さらに、その城の中心が島のような高台であったため、宮古島(みやこじま)と呼ばれ、後に現在の「都城」や「都島」という表記になったと記されています。また、現在の都城盆地一帯を指す「庄内」の地名は、島津荘(しまづのしょう)に由来し、北郷・中之郷・南郷に分けた中心を「都城」と呼びました。
島津家が誕生した都城が、天皇家と深いつながりがある地であることを強調した本史料からは、西洋列強に脅かされる幕末の日本で、尊王攘夷の思想が強まったことをうかがい知ることができます。
問い合わせ:都城島津邸
【電話】23‒2116
※都城島津伝承館は、展示設備改修のため8月2日(金)まで臨時休館
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