令和七年二月八日・九日
(左)繰卸舞:面帽子、白衣に白袴を着用し、右手鈴、左手扇で舞い始める。中盤、鈴と扇を置き、繰卸の縄を一人一本持って舞い、その後、右手鈴、左手縄を持って舞う。最後に舞い手全員が同時に縄を引いて切る。(右上)寿の舞:一人舞。杖をついて腰を折ったまま、遠くへ行かずに体の周囲で舞う。転んで介抱をうけ、観客女性を引き込んでの滑稽な仕草で会場の笑いをを誘う。(右下)舞揚:一人舞。荒神(猿田彦)から杖を授かっての喜びと感謝の舞とされている。
(撮影 北園貢氏 繰卸舞・寿の舞)
※各写真は本紙PDF版6ページをご覧ください。
■高鍋神楽とは
旧高鍋藩城附地の新納院と呼ばれた地域に受け継がれている神楽の総称で、現在の児湯郡高鍋町、新富町(北部)、木城町、川南町、都農町の五町にわたっています。高鍋神楽は「六社連合大神事」として、高鍋藩を領した秋月氏が特に崇敬した領内の6つの郷社の輪番で神楽奉納が行われており、来年は2月8日・9日の2日間にわたり、高鍋町の愛宕神社で開催されます。
■高鍋神楽の魅力
舞は、かかとやつま先を細かく使う足の運び、歌舞伎や能楽のように体や肩・頭の振り様が多く、腰を低く落として舞う「座舞」「居舞」の所作が多いのが特徴です。舞様は高尚優美で勇壮活発な舞が魅力と評されます。演目の中には、一時間以上舞い続ける神楽や、観客を引き込んで、滑稽な仕草で笑いを誘う演目「寿の舞」など、それぞれに特色があります。また、神楽は男性が舞うものという地域もあるなかで、高鍋神楽は女性の舞手もおり、そのことも見どころのひとつといえます。
高鍋神楽は県指定「無形民俗文化財」(昭和44年)、「記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財」(昭和53年)として国の選択をうけています。令和6年3月には国指定に向けて『高鍋神楽調査報告書』が完成しました。
■伝統文化の継承へ向けて
高鍋神楽は、後継者を募集しています。お一人お一人の参加が、高鍋町の文化財継承の大きな力となります。神楽や雅楽に興味のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
問い合わせ先:高鍋町教育委員会 社会教育課文化係
【電話】23-3326
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