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[特集]みんなで創る 入善の「みらい」(1)

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富山県入善町

ことし4月下旬、「消滅可能性」という言葉が町に衝撃を与えました。
民間の有識者グループ「人口戦略会議」は、2020年~50年までに20~30歳代の女性が50%以上減ると推計された自治体を「消滅可能性自治体」と定義。町は56・3%の減少が推計され、新たに該当自治体とされました。
今月は、この現状を変えるべく、「ストップ人口減少」を目指す入善町の取り組みや、町民の皆さんが取り組んでいる、町を支え、盛り上げる活動を特集します。
ここでは「にゅうぜん『まち・ひと・しごと』づくり戦略」、「人口ビジョンにゅうぜん」について紹介します。

◆「まち・ひと・しごと」を創る 戦略にそった施策を展開
平成26年11月、国は、「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定しました。その目的は、人口減少や東京圏への過度な一極集中が原因の地域経済縮小の克服です。
これを受け、町は27年6月に各種団体の代表者が委員を務める戦略会議(神川康子(やすこ)会長)を設置し、同年10月「人口ビジョンにゅうぜん」と「にゅうぜん『まち・ひと・しごと』づくり戦略」(以下、総合戦略)を策定。令和2年度までの6年間を第1期として、各施策に取り組んできました。
現在、総合戦略は2期目。
令和3年3月に策定したまちづくりの最上位計画「第7次入善町総合計画」に合わせた施策を展開することで、地方創生の推進を図っています。

◆目指せストップ人口減少 2060年で人口2万人
町人口ビジョンでは、2060年の目標人口を2万人に設定。目標の達成のため、町は次の2つを総合戦略の目指す将来像と位置付けています。

・人口推計と将来人口

(1)人口の自然減を緩やかに
町における1人の女性が一生に産む子どもの平均数「合計特殊出生率」は、現在1・34人。40年までに、人口が保たれる水準である2・07人に上昇させることを目指します。

(2)人口の社会減からの脱却
大学への進学や就職、結婚に伴う女性の転出など、現在の年間転出超過数は100人を超えています。転出超過傾向を解消するため、若者の定着と転入促進を図り、転入超過の実現を目指します。

・総合戦略 4つの柱
柱1…結婚・出産・子育てしやすい地域づくり
柱2…しごとづくり
柱3…ひとの流れづくり
柱4…まちづくり

町は、柱ごとに目標を掲げ、施策や事業の効果検証、見直しをしながら、ストップ人口減少を目指します。下記では、その概要と、8月に開いた総合戦略効果検証委員会での委員の意見を紹介します。

◆柱1 結婚・出産・子育てしやすい地域づくり
・基本目標1
若い世代の結婚・出産・子育て・教育の希望をかなえる

・基本目標1の方向性
若い世代が希望通りに結婚し、安心して妊娠・出産・子育て・教育ができるよう、地域ぐるみで子どもを産み育てやすいまちを目指す。

・主な数値目標…合計特殊出生率
1.34(令和4年)→1.60(令和7年目標値)

・施策の例
(1)それ行け!結婚プロジェクトによる婚活支援
(2)妊娠・出産・子育てへの切れ目のない支援体制
(3)1人1台タブレットなど、ICT教育体制の充実

・委員の意見
「町の子育て環境は高く評価されている。さらにもう一歩、他より目立つ子育て施策を考えてはどうか」
入善漁業協同組合 参事 飯田 晃広(あきひろ)委員

◆柱2 しごとづくり
・基本目標2
産業の活性化を促し、安定した雇用を創出する

・基本目標2の方向性
産業の振興により、若者から高齢者まで、各年代の雇用ニーズに応え、安定した雇用の創出を図り、すべての町民の『働きたい』を実現するまちを目指す。

・主な数値目標…町民の就業率
87.1%(令和2年)→90.0%(令和7年目標値)

・施策の例
(1)栽培チャレンジ事業による農業の担い手育成
(2)豊富な水資源を活かした企業誘致活動
(3)人材マッチングフェアの開催

・委員の意見
「農業従事者数が減っている。特産品の新規生産者数の増加を目指して、支援施策を継続してほしい」
みな穂農業協同組合 総務企画部長 大沼 好幸(よしゆき)委員

◆柱3 ひとの流れづくり
・基本目標3
入善町に新しい人の流れをつくる

・基本目標3の方向性
まちの魅力を創出・発信することにより、「にゅうぜんファン」の増加を図るとともに、町への新たな人の流れをつくり、定住・交流人口の拡大を目指す。

・施策の例
(1)にゅうぜんフラワーロードなどの観光イベント
(2)安心移住プロジェクトによる移住者への支援
(3)ふるさと納税の実施

・主な数値目標…社会動態(転入・転出による人口増減)
△163人(令和5年)→社会増(プラスへ)(令和7年目標値)

・委員の意見
「入善の名水は世界に誇れる豊かな資源。今後は、水以外にも町の良い資源を活用した施策の展開を」
入善女性団体連絡会 副会長 村田 厚子(あつこ)委員

◆柱4まちづくり
・基本目標4
扇状地の恵まれた環境の中で、豊かで安心に暮らせるまちをつくる

・基本目標4の方向性
扇状地の恵まれた環境の中で、安心で快適な生活環境を創出し、誰もが健康でいきいきと心豊かに生活できるまちを目指す。

・主な数値目標…アンケートによる住民満足度
64.2パーセント(令和元年)→80.0パーセント(令和7年目標値)

・施策の例
(1)減塩いいね!プロジェクトによる高血圧予防
(2)いきいき100歳体操による介護予防
(3)町営バスやデマンド交通の運行

・委員の意見
「空き家は有用な資源。町には空き家整備の個人向け助成があるが、法人向け助成も検討してはどうか」
アイシン・メタルテック(株)理事 細田 博(ひろし)委員

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