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自治体の皆さまへ

[特集]みんなで創る 入善の「みらい」(2)

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富山県入善町

◆地域が描く舟見のみらい
人口減少には地域ごとの理由があり、その解決に特効薬はありません。そんな中、町内では、地域を盛り上げ、未来につなぐためのさまざまな活動が住民自らの手で行われています。
ここでは、その一例として、舟見地区自治振興会の「舟見みらい会議」を紹介します。

舟見地区自治振興会は8月から10月にかけて、「舟見みらい会議」を開催。「こんな舟見にしたい」という思いを持ち寄り、実現に向けた計画を作り上げました。
同会議には、地域の維持・活性化を支援する、富山県の補助制度を活用。NPO法人まちづくり学校(新潟市)の金子洋二(ようじ)氏を講師に招き、話し合いを進めました。
第1回は「地域の未来を大予測」をテーマに開催しました。住民約30人が数グループに分かれ、5~10年後の「望ましい未来像」を考え、発表。人で賑わっている、産業が盛り上がっているといった、理想の姿が話されました。
第2回は「まち点検andアイディア大会」と題したフィールドワークを実施。舟見地内を歩いて回りながら、課題解決に向けてヒントやアイディアを探索しました。豊かな自然や歴史ある施設、特有の文化など、舟見の宝物を改めて見つめなおしました。
第3回は集大成となる「みんなでつくる!“アクションプラン”」。前回出たアイディアやヒントをもとに、初回で描いた未来像の実現を図る活動計画をグループワークで作成。舟見城址館横の舞台を活用した音楽イベントの開催、舟川べりのホタルを保護・育成し、ホタル鑑賞スポットをつくる、熊坂トンネルを使った酒蔵づくりなど、多彩なプランが生まれました。

・舟見地区自治振興会 会長
西尾 政春(まさはる)さん
(舟見・71歳)
グループワークや町なか探検を通して、幅広い年代の舟見地区住民の皆さんの意見を聞くことができました。できあがったプランを見て、舟見には未来につながるたくさんの宝があると確認できたことは感動の一言です。
今回描いた未来を実現させていくには、さらに話し合いを重ねていく必要があります。これからが、「みらい会議」の本当の始まりだと思っています。

・平澤 菜桜(なお)さん
(舟見・15歳)
入善高校で、2学年から始まる観光ビジネスコースに進む予定なので、その参考になればと思い参加しました。今回の会議で出た、たくさんの人が舟見を訪れてくれるようなアイデアが実現できれば、消滅可能性を下げられるのでは、と思いました。
今回の経験を経て、授業で活かすことはもちろん、普段の生活の中でも、町を盛り上げる方法を考える習慣をつけていきたいです。

・大家 誠(まこと)さん
(舟見・42歳)
小さな子どもを持つ親として、子どもたちが楽しく暮らせる舟見の未来を考えたいと思い、参加しました。普段から団結力のある地区だとは思っていましたが、改めて話しあったことで、幅広い年代の人の考えを知れたり、舟見の歴史や魅力をより深く理解できたりしてよかったです。
歴史的価値の高い建物を集いの場にするアイデアは、実現を目指して話し合いを続けたいですね。

◆入中生が地域を守る「防災Fes.(フェス)」開催
ことし1月の能登半島地震は、災害はいつ起こるかわからないことを強く再認識する出来事でした。人口減少社会における課題の一つに挙げられる防災活動の担い手不足は、入善町にも当てはまります。そんな中、地域を守るために立ち上がったのは、町の中学生たちでした。
ここでは、入善中学校生徒会が企画・運営した、「防災Fフェスes.」について紹介します。

「低い姿勢で、頭を守ってください!」
入善中学校で11月2日、「防災Fes.」が開かれ、全校生徒約230人が避難所の運営訓練を実施。会場に招いた地域住民約110人に、災害時の自助・共助を呼びかけました。
同事業は、ことし1月1日の能登半島地震を受け、生徒や地域住民に防災への備えを身に付けてもらうために同校生徒会(髙橋マティルド会長)が企画。5月から9回の事前学習を行い、準備してきました。当日は、町で震度7の地震が発生、入善中学校が避難所になった想定で、すべて生徒主導で訓練を行いました。
まず、地域住民の受け付けと各教室への避難誘導、加えて、途中起こる余震・停電への対応訓練を行いました。
続いて、各種委員会メンバーが各教室を巡回。体育委員は体調管理、保健委員は衛生管理など、委員会ごとの役割分担に応じて、避難所での過ごし方を発表しました。
体育館では、生徒が地域住民に指導しながら、段ボールベッドの組み立て体験を実施。水やアルファ米、クラッカーなどの非常食の配布訓練も行いました。

・入善中学校
生徒会長 髙橋 マティルド さん(3年)
保健委員長 前田 未耶美(みやび)さん(3年)
富山は災害が少なく、避難の経験がない人も多いので、一連の流れを体験してもらえる訓練にしました。災害時は、助け合いの「共助」が重要。これを機に、生徒たちを介して地域の中で防災の輪がどんどん広がって欲しいですね。

・安田 周平(しゅうへい)さん(椚山・42歳)、凱俐(かいり)くん(同・10歳)、瑚唯(こゆい)ちゃん(同・6歳)、真理子(まりこ)さん(同・40歳)
当日は、生徒の皆さんがしっかりと役割分担をして、迅速かつ正確に誘導してくれたおかげで円滑に避難行動がとれました。今回の訓練をきっかけに、災害が起こったときの家族の避難場所や行動を改めて話し合っておきたいです。

・入善中学校 教頭
角丸 映至(えいじ)さん
丸1年近く、生徒会や委員会で準備し、運営をやり遂げたことで、生徒の防災力と物事を運営する力が伸びました。生徒たちも地域の一員であり、人口減少社会の「共助」の担い手になれるという学びを得られたことは大きな成果です。

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