文字サイズ
自治体の皆さまへ

[特集]みんなで創る 入善の「みらい」(3)

3/26

富山県入善町

◆「入善」と「私たち」をつなぐハンカチ
「消滅可能性」という言葉はショッキングな一方で、新たな取り組みが生まれるきっかけにもなり得るものです。ここでは、町の未来のために一歩を踏み出した子どもたちを紹介します。

◇「消滅可能性」の報道 町を消させたくない
-入善町の良さをたくさんの人に知ってもらいたい-
桃李小学校の5年生は11月8日、学校で開かれた遊休品即売会で、自分たちでデザインをした「タオルハンカチ」を販売しました。町の名所や特産品をあしらったデザインのハンカチは好評を集め、販売開始15分で完売しました。
ハンカチ制作のきっかけは、4月ごろの総合的な学習の授業で、町が「消滅可能性自治体」に選ばれた事実を知ったこと。児童からは、自分たちの住む町が、人口減少で将来無くなるかもしれないと考えられていることに驚く声とともに、「入善町に住み続けたい」「町をより良くしたい」という声があがりました。

◇町の魅力を伝えたい タオルハンカチづくり
そこで、以前から交流があり、さまざまなオリジナル商品を販売する町観光物産協会とのコラボを立案。「タオルハンカチでつなぐ、つながる私たちと入善町」と題した総合的な学習に着手しました。
6~7月ごろは、同協会職員を講師に招き、入善ジャンボ西瓜やカキ、風車などさまざまな題材を学習。その後1人ひとり題材を選び、夏休みにタオルハンカチのデザイン案を考えました。
9月には、持ち寄ったデザインをまとめ、同協会職員に向けてプレゼンを行い、デザイン案を提出。10月4日、できあがったサンプル品のチェックを行い、25日に完成品6種を受け取りました。
11月8日の販売に向けては、ポスターを掲示したり、店頭に飾る掲示物を作ったりと、準備を怠りませんでした。
迎えた販売当日は児童自ら売り子を務め、120枚を完売。この大成功に、児童たちは喜びの声を上げました。

・桃李小学校
木村 颯太(そうた)さん
(5年)
消滅可能性の話を聞いて、万が一町が無くなったら悲しいと思いました。それを防ぐために、入善ジャンボ西瓜や風景を取り入れた絵柄のハンカチを作りました。ハンカチを通して、町外の人にも、町内の人にも、もっと入善町を好きになってもらいたいです。

・町観光物産協会 事務局長
髙澤 徹(とおる)さん
(木根・62歳)
入善町を深く知り、得た知識を元に町の魅力を伝えるハンカチを作り、自分たちで販売したことで、子どもたちの郷土愛は深まったはず。
この思い出が、将来子どもたちが町に住み続けたり、町に帰ってきたりするきっかけになればうれしいです。

・杉沢の沢スギ ボランティアガイド
木田 純子(じゅんこ)さん
(上野・74歳)
どのハンカチもかわいくできていて、特に花火と舟見城址館を描いたハンカチがお気に入りです。消滅可能性の話を受けて、子どもたちが行動してくれたことに感心しました。
ハンカチは、町のPRも兼ねて、友人にプレゼントしたいと思います。

◆町を愛する心は「みらい」を創るたからもの
人口減少の克服は、日本のどの地域も直面している課題。若者が減り、産業やまちづくりの担い手が減り続けることは、大きな脅威です。
その対策として、町民の皆さんの協力のもと、さまざまな施策を進めてきた中で、町が「消滅可能性自治体」に挙がったのは、残念なことでした。
その一方で町は、10月末に、不動産会社の実施した居住満足度調査で幸福度県内1位を獲得。このまちに住んで幸せを感じる人が増えていることが証明された、うれしい出来事でした。
「消滅可能性自治体」の選定は、ピンチである一方、まちの魅力や問題点を見つめ直すチャンスになり得ます。人口という数値はもちろん重要ですが、まずは住み続けたい、帰ってきたいと思える町を目指すことが、良い結果につながるのではないでしょうか。
そんなまちづくりの要となるのは、町民皆さんの「町を愛する心」。一人ひとりの日々の営みや地域の活動が、町の「みらい」を創ります。
まずは今日から、家族や友人と、町の好きなところを改めて話し合ってみませんか。

問い合わせ:秘書政策室 企画政策係
【電話】0765-72-0174

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU