■『急性大動脈解離(きゅうせいだいどうみゃくかいり)』-寒くなると増える命にかかわる血管の病気-
院長 深原 一晃
急性大動脈解離は心臓から出て背中を通ってお腹にかけて走行している大動脈の壁が裂ける病気です。ほとんどの場合で何の前触れもなく、ある日突然、胸や背中に激しい痛みを感じるのが特徴で、その痛みは「今まで感じたことがない」と表現されることが多いです。
急性大動脈解離は解離した部位にもよりますが、頭や足の血管の血流障害を合併することもあり、放置すると48時間以内の死亡率が50%程度と命にかかわる病気です。緊急手術が必要になることも多く、胸や背中に突然、立っていられなくなるほど非常に強い痛みを感じたら、すぐに救急車を呼んでください。
急性大動脈解離は高血圧、脂質異常症、肥満、喫煙、ストレス、遺伝などさまざまな要因により起こりますが、その中でも高血圧は最も重大なリスク因子です。特に寒くなり血圧が急に高くなると、発症しやすくなるため秋から冬にかけて増える病気です。高齢の方に起こりやすい病気ですが、働き盛りの50代、60代でも高血圧や動脈硬化がある方は注意が必要で、命にかかわる病気ですので血圧のコントロール、禁煙、ストレスを軽減し、健康的な食生活を心掛けましょう。
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