文字サイズ
自治体の皆さまへ

OYABE×地域おこし協力隊

25/35

富山県小矢部市

■梶内隊員(就農関係)
「地域おこし協力隊」の梶内です。1年目の米作りは思うようにいかないことの連続でした。穂がうまく実らなかったり、実ったものの倒(とう伏ふくしたり、田んぼが乾かず稲刈りに入れなかったり…。ハサが干した稲ごと倒れた時はさすがに少し落込みました。そんな僕をみて、集落のT兄さんが「梶さん、悪いけどへこむなんて10年早いわぁ!」と、大笑いしながら自分の苦労話しをしてくれました。そして「正直、去年田んぼするって聞いた時は、“横浜から来たあんちゃん”が何言っとんのやと思っとったよ。そしたら草刈って苗から育てて…。ようやっとる。まずは3年やってみることや。」西陽(にしび)をうけたTさんの言葉は優しくてとても温かいものでした。集落での米作りは、たくさんの方々とのご縁を生み、多くのことを学んだ1年でもありました。稲が出穂(しゅっすい)しカメムシなどが出てくる時期になると、捕食者であるクモやカマリキが一斉に出てきます。カエルやトンボは種類によって少しづつ時期をずらして現れます。アカガエルにいたっては、早春に冬眠から覚め産卵し、また土にもぐって“二度寝”します。そうやって自然はバランスを保っているのです。また、田んぼや用水の管理は土砂くずれをはじめとした災害への対策にも繋がります。里山は人間の生活と自然の交わる“渚(なぎさ)”のような場所だなと感じる日々です。そして、このような環境が“結(ゆい)”などの共同体としての思想を育んできたんだなと実感しています。先日、田んぼに来た区長さんが「自然と一緒に暮らしていきたいということだな。あんたが歳とって、梶さんの姿が見えないなぁ。さっき田んぼに出てったぞ。田んぼで倒れてそのままポックリ。それが幸せ。」なんてことを笑いながら話してくれました。朝晩が大分涼しくなってきました。澄んだ星空の下、遠くで梟(ふくろう)が鳴いています。

地域おこし協力隊
@oyabe_satoyamalife

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU