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続・ひみ未来遺産「第13回 十二町潟のジョリン」

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富山県氷見市

◆〜湿田農具の創意工夫〜
昭和40年代ごろまで、十二町潟周辺には、かつての布勢水海(ふせのみずうみ)の名残ともいえる重湿田(じゅうしつでん)が広がっていました。浅い所でも腰まで水に浸かる重湿田での困難な米作りを支えたのが、この地域特有の農具です。
その一つ、ジョリンやジョレン(鋤簾(じょれん))と呼ばれる農具は、潟の底から泥土をくみ上げて、ハダコ田という島状の田んぼを作るために使用されました。戦前までこの作業は、人が潟に潜って底の泥土を竹ゾウケ(竹製のざる)で上げるという途方もない労力が必要でした。それを改善したのがジョリンです。
ジョリンは、竹や木の長い柄に箕(み形の鉄部を取り付けたものです。その鉄部をよく見ると、箕形に曲げた鉄板を市販の金鍬(かなぐわ)に鋲留(びょうど)めして作られているのが分かります。柄の差し込み口を自作するのは難しいため、市販の金鍬を利用したのでしょう。使用者各々が工夫を凝らして道具を作っていたことが伝わってきます。さて、博物館では、秋に布勢水海をテーマとした特別展の開催を予定しています。このジョリンのような十二町潟近辺で使用されていた道具類をお持ちでしたら、ぜひ情報をお寄せください。
(博物館主査 廣瀬 直樹)

問合せ:博物館
【電話】74-8231

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