◆〜菓子木型と寺社との関わり〜
博物館では、2月23日から特別展「氷見の菓子―菓子づくりから見る氷見の文化―」を開催しています。そこでは、過去に氷見で営業していた菓子店から寄贈を受けた菓子木型を中心に展示しています。菓子木型は、四季の風物や芸能などをテーマに彫られており、あんや砂糖、餅粉といった菓子の材料を詰めることで美しい和菓子が出来上がります。
通常こうした木型は、菓子店が職人に注文します。ただし、一部例外的に寺や神社では、行事で使う菓子専用の木型を職人に注文し、その費用を菓子店と折半、または全額負担することがあります。こうした専用の木型は、菓子店に管理を任せずに、寺や神社が自ら保管し、注文の度に菓子店に持っていく場合もあります。
今回の展示には、寺や神社と菓子店のどちらが注文したのかまでは分かっていませんが、寺の名前が刻まれていたり、特定の寺専用の木型として伝わっていたりするものが含まれています。
氷見を含む呉西地域での菓子木型の普及については、加賀藩の菓子文化の影響だといわれています。しかしその一方で、こうしたさまざまな寺や神社の行事で特注の菓子が作られていることも、普及の要因の一つとして考えられます。
この特別展では、菓子木型のもつ美しさはもちろん、菓子作りから見える氷見の文化についても紹介しています。3月17日(日)まで開催していますので、ぜひご覧ください。
問合せ:博物館
【電話】74-8231
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