文字サイズ
自治体の皆さまへ

砺波総合病院から

22/32

富山県砺波市

■膵(すい)がんについて
消化器内科
主任部長
北村 和哉

膵臓は、胃の裏側にある細長い臓器で、消化酵素や血糖を調節するホルモンを作る臓器です。この膵臓にできるがんが膵がんです。毎年約4万人の方が膵がんで亡くなっており、男性では肺、胃、大腸に次いで4番目、女性では大腸、肺に次いで3番目に死亡者数が多いがんです。
膵がんで見られる症状は、お腹や背中の痛み、食欲不振、体重減少、皮膚や白目が黄色くなる黄疸などがありますが、早期では症状が出にくく、検診で見つけるのも難しいため、見つかった時点で手遅れということもしばしば経験します。早期に膵がんを見つけるためには、膵がんの危険因子を持った方で積極的に検査を行うしかありません。膵がんの危険因子は、家族に膵がんの人がいる、糖尿病・肥満・慢性膵炎・膵のう胞などに罹っている、喫煙歴や飲酒歴がある等が挙げられます。
検査の内容としては、血液検査で膵酵素や腫瘍マーカーを測定したり、腹部エコー、CT、MRIなど画像検査を行ったりします。ただし、早期の膵がんはこれらの検査でも異常が出ないこともあり、一度膵がんを疑った場合は、繰り返し検査を行うことが必要になります。特にこれらの画像検査で明らかな膵がんを認めなかった場合でも、膵臓内を走っている膵管という管の拡張を認めた場合、膵臓の一部分が委縮している場合、のう胞性病変を認めた場合などは、より慎重に経過観察を行う必要があります。
膵がんを早期に発見できる可能性のある検査として超音波内視鏡という検査があります。胃カメラの先端にエコーがついた内視鏡で、胃の裏側にある膵臓を胃の中から観察することで数ミリ程度の病変も見つけることができます。また、超音波内視鏡を用いた穿刺吸引細胞診で、膵がんの確定診断を行い、治療方針の決定に役立てています。
最後に膵がんの治療ですが、根治のためには手術が必要になります。手術以外の治療では抗がん剤治療や放射線治療がありますが、がんを完全に消すのは難しいのが実際です。また手術をしたあと、再発予防のために抗がん剤治療が必要になることもあります。

病院のホームページもご覧ください。

問合せ:砺波総合病院
【電話】32-3320

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU