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砺波総合病院から

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富山県砺波市

■人生の最終段階における意思決定について
医療安全作業部会 臨床倫理部
師長代理 平 優子

◇元気な時から人生の最終段階を考えておく
元気な時には、自分が弱っていくとは考えにくいものです。そんな、縁起でもない話をして…と、ご家族で話し合う機会も少ないのではないでしょうか。日頃からご家族と「動けなくなったら…」や、「助かる見込みが少ないときに、人工呼吸器をどうする?」など、「どこで」、「どのように」、自分の最期を迎えたいのか、自分の思いをご家族に伝えておくことはとても大切です。このような、人生の最終段階を話し合い、伝えておくことは、自分のためもであり、ご家族への「思いやり」になるのです。

◇もしもの時の意思決定について
なぜ、ご家族への「思いやり」になるのでしょうか。たとえば、事故や病気が突然やってきたとき、本人だけでなく、ご家族も頭が真っ白になり、冷静に物事を考えることができない場合が多くあります。また、ご家族だけで、治療内容を決めなければならない場合もあり、本人の思いが分からずどのように決めたらいいのか迷ってしまう場合があります。このようなとき、もしもの時の話し合いがされていれば、ご家族が「本人の思い」を代弁して、医療者に伝えることができ、本人の思いに沿った意思決定につながるのです。

◇病院での取り組み
病院では、治療を受けたほうが患者さんにとって良い結果だと医療者が考えていても、患者さんが、治療を別の方法で希望された場合には、医療者も悩むことがあります。これは、医学的に患者さんにとって良い方法だと考える医療者と、本当にそうなのかと考える患者さんとの思いのズレが生じているためです。そのようなときは、医師、看護師、メディカルスタッフなど、さまざまな職種が集まり、患者さんにとって最善の方法を検討していきます。このように、医療現場で起きる問題に対して、患者さんにとってよいことは何か?と倫理的な視点で検討することを「臨床倫理」といいます。
さらに、倫理的な話し合いが医療チームで行われても、方針が定まらないような場合には、医療安全作業部会の臨床倫理部が相談をお受けしています。
このように病院では、患者さんの意向を尊重することを基盤に、医学的な判断に基づいて、患者さんの生活が保たれるように、多くのスタッフ、職種と連携して十分検討する仕組みをとっています。

病院のホームページもご覧ください。

問合せ:砺波総合病院
【電話】32-3320

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