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砺波総合病院から

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富山県砺波市

■「聞き書き」あなたの語りを一冊の本にして、残しませんか?
看護部 聞き書き水曜会
平木 葉子

皆さんは、「聞き書き」をご存知ですか。
「聞き書き」とは「お年寄りの話を聞き、その話を、その人の話し言葉で書き、一冊の本にしてお渡しする活動」をいいます。「お年寄りが一人亡くなると、地域の図書館がひとつ消える」とも言われています。お年寄りの話を聞いて、それを記録し、後世に残すことですが、それは決して特別なことでなくていいのです。長い人生を生きてきて「楽しかったこと」、「嬉しかったこと」、「辛かったこと」、「悲しかったこと」を思い出して語ってもらえれば、それだけでも、その方の立派な「生きてきた証」になります。「聞き書き」のメリットは、「話し言葉」で書くと気持ちを共有できることや、生きがいを見出してもらうことなどがあります。
当院では、2012年から患者に寄り添う看護の一つとして「聞き書き」を行っています。入院・外来患者さんを対象に、お年寄りだけでなく、様々な世代の方の語りをお聞きしています。これまで50名近くの方の「聞き書き」を行ってきました。
例えば、出産を控えたお母さんが、将来大きくなったお子さんに今の気持ちを冊子にして渡すための「聞き書き」や、可愛いお孫さんへの思いを冊子にし、誕生日プレゼントとして渡すための「聞き書き」など、ご家族の思い出作りのお手伝いもさせてもらっています。
これまで「聞き書き」を行った患者さんやご家族からは、「自分の話を聞いてもらうだけで、元気になった。冊子をもらったら、いちだんと嬉しかった」「こんなことまで喋っていたんだ…と気恥ずかしくもなったが、私の口調で書いてもらっていると、その時の情景がよみがえり、懐かしく感じた」「良い思い出になる機会をくれてありがとう」と、様々なご意見をいただいています。このようなお言葉をいただくと、私達も大変嬉しい気持ちになります。
入院しておられる間や、通院している待ち時間の間など、「こんな話を聞いてもらって文章に残したいなぁ」「日頃、面と向かって家族に言えないことを、聞いてもらって冊子にしてほしいなぁ」「経験したことを孫や家族に伝えたいけど、なかなか話せないから、聞いてもらって冊子にしてもらおうかなぁ」と思っている方は、気軽にお問合せください。「聞き書き」を学習したスタッフが、皆さんの元に伺ってお話をお聞きします。数回に分けて、聞かせていただいた語りを文字にして、話し合いながら一冊の本にしていきます。
入院中の患者さんと遠方にいるご家族との思いを繋ぐための手段としても、この活動を利用していただきたいと思っています。そして、「聞き書き」の活動を通して、患者さんのお話を聞かせていただき、寄り添う看護を行っていきたいと思います。

病院のホームページもご覧ください。

問合せ:砺波総合病院
【電話】32-3320

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