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■砺波に新しい手術支援ロボットがやってきました
外科 吉田 貢一
手術支援ロボット「ダビンチ」は2017年に富山県呉西地区では初めて当院に導入されました。当時、この決定をした砺波市の先見の明に大いに感動した覚えがあります。当初は泌尿器領域のみでの使用許可でしたが、その後、2018年に消化器領域への使用も許可され、当院外科でも早速、大腸癌に対してロボット手術を開始しました。以来、たくさんの砺波市民をはじめとした近隣の市町村の方の治療に使用させていただき、現在では他の施設にロボット手術を指導する資格を取得するまでに至りました。
初代ロボットはSiという機種でした。非常に高性能な機種でしたが、少し気難しいところもあり、操縦にはちょっとしたコツが必要でした。しかし、そこがロボットに愛着を抱くポイントでもありました。このように愛着のあるSiでしたが、ついに2024年をもって製造および機器メンテナンスの中止が発表されました。これに伴い、当院でもSiにかわりXiという機種へ更新されることになりました。Xiは現行ダビンチの最上位モデルです。当院にはロボット連動手術台も導入され、この7月に市場に出た専用のエネルギーデバイス(電気メスやシーリングシステム)は北陸でほぼ初の導入となります。
ところで、皆さんはロボット手術にはどんな印象があるでしょうか。「ロボットだから自動的に手術してくれるの?」なんて質問をいただくこともあります。残念ながら自動手術の機械ではありません。腹部臓器の手術には、お腹を切り開いて直接臓器に触れながら手術をする開腹手術とお腹に小さな孔を開けてそこから鉗子と呼ばれる細長い器械と内視鏡カメラを挿入して手術をする腹腔鏡下手術があります。手術支援ロボットとは、この腹腔鏡下手術を支援する機械です。腹腔鏡下手術が広く普及した要因として、傷が小さいことが挙げられますが、それ以上に、見えにくかったところが良く見えるようになったことも大きな要因だと思います。ところが、従来の腹腔鏡下手術では見えているのに、なかなか鉗子が届かないというジレンマが顕在化してきました。ロボットの鉗子には関節があり、これにより手が届きにくいところに手が届くようになり、従来の腹腔鏡下手術の弱点が補われるようになりました。体の機能を温存しつつ、癌を根こそぎ取るという理想の癌手術の達成をコンセプトに手術支援ロボットは登場したのです。
今後は新しいXiと共に当院のロボット手術を更に発展させて、市民の皆さまの健康に寄与できますよう研鑽していきたいと思います。
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