■自動車運転シミュレーターがリニューアルされました
総合リハビリテーションセンター作業療法係
副主幹 高田 尚美
総合病院では2009年に自動車運転シミュレーターを導入し、多くの方の運転適性検査を行ってきました。そのシミュレーターが2024年にリニューアルされました。
従来のものは一画面であり平坦な画像でしたが、今回のものは3面ディスプレイで視野が拡大されました。年代別の5段階評価を行い、数値で運転レベルを知ることができます。
また、自分の運転内容をリプレイすることで客観的に自分の運転を確認し、苦手箇所を再確認することができます。
自動車の運転は、生活(仕事・買い物・レジャーなど)の中で重要な移動手段の一つです。砺波地域においては、自動車を運転することは生活する上で必要とされることが多く便利なものです。しかし、一方で人を危険にさらす可能性もあります。安全な運転には「認知・予測・判断・操作(高次脳機能・身体機能)」の能力が求められます。
◆高次脳機能障害による運転への影響
▽注意散漫〈注意障害〉
・歩行者、信号、標識など同時に注意することができない
・脇見運転になりやすいなど
▽判断力低下〈情報処理〉
・臨機応変な対応が難しい
・タイミング良く車線変更できないなど
▽見落とし運転になりやすい
〈半側空間無視〉
・見えている空間を認識できず見落としてしまう
・車線をはみ出すなど
▽理性の低下〈社会的行動障害〉
・感情のコントロールが難しく、イライラしてしまうなど
◆令和5年度の実施状況
当院では、運転評価が必要と判断された方に高次脳機能評価を行い、合格したら運転シミュレーターでの評価を実施しています。令和5年度にシミュレーターを実施した方は93人(男性54人・女性39人)でした。年齢は30代から80代(60代から70代が多い)です。脳血管疾患の方が多く実施されていました。[表1]
病気や怪我により障害が残ったが運転を再開したい人や、認知機能に不安がある人の運転実施には、慎重な判断と適切な手続きが必要となります。当院においてはそのような方に対して、机上での検査とシミュレーターによる客観的な検査を行い助言しています。
[表1]
病院のHPもご覧ください。
問合せ:砺波総合病院
【電話】32-3320
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