こどもが虐待で命を落とす事件があとを絶ちません。児童相談所の相談対応件数は年々増加しており、富山県では、令和4年度の虐待対応件数は、1,044件(令和3年度:894件)となっています。(虐待と認められなかったものも含む)
社会全体でこどもを守り、子育て家庭を支えるために一人一人が意識を持ち、何ができるか考えてみませんか。
■体罰によらない子育てを広げよう!
こどもが思ったとおり行動せず、イライラして「しつけのためだから仕方ない」とか「痛みを伴ったほうが理解する」と、次のようなことを行ってはいませんか。
・何度注意しても言うことを聞かないので、頬をたたいた
・宿題をしなかったので、夕食を抜きにした
・いたずらをしたので、長時間正座をさせた
しつけと称しての行いであっても、これらは全て体罰に当たります。体罰は、行動や感情をコントロールする脳の「前頭前野」にダメージを与えることが分かっています。また、うつ病の一種の気分障害や、非行を繰り返す素行障害につながる場合もあります。
「死ね」「バカ」「産まなければよかった」などの暴言も、たとえ冗談だとしてもこどもの心を傷つけ、過度の不安感、おびえなどの情緒障害、うつ症状や学校に適応できないといった影響がでることもあります。
■体罰によらない子育てのための工夫のポイント
▽ポイント(1) こどもの気持ちや考えに耳を傾けましょう
相手に自分の気持ちや考えを受け止めてもらえたという体験によって、こどもは気持ちが落ち着いたり、大切にされていると感じたりします。
▽ポイント(2) こどもの成長・発達によっても異なることもあります
こどもの年齢や成長・発達の状況によって、できることとできないことがあります。それぞれのこどもによって成長・発達の状況にも差があることを理解しましょう。
▽ポイント(3) 肯定文でわかりやすく、時には一緒に、お手本に
子どもに伝えるときは、「ここでは歩いてね」など、肯定文で何をすべきかを具体的に、また、落ち着いた声で伝えると、こどもに伝わりやすくなります。
▽ポイント(4) 良いこと、できていることを具体的に褒めましょう
こどもの良い態度や行動を褒めることは、こどもにとって嬉しいだけでなく、自己肯定感を育むことにもなります。
■ヤングケアラーを知っていますか?
「ヤングケアラー」とは、本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを日常的に行っているこどものことです。
▽例えば…
・障がいや病気のある家族に代わり、買い物・料理・洗濯など家事をしている。
・家族に代わり、幼いきょうだいの世話をしている。
・障がいや病気のある家族の入浴やトイレなどの介助をしている。
ヤングケアラーは、本当なら享受できたはずの、勉強に励む時間、部活に打ち込む時間、友人との他愛ない時間など「こどもとしての時間」と引き換えに、家事や家族の世話などをしています。「もしかしたらヤングケアラーかもしれない」というこどもが周囲にいる場合は相談窓口に連絡してください。
■地域のみなさんへ~こどもまんなか社会の実現に向けて~
こども虐待の防止は、児童相談所や市町村などの公的機関だけ行えるものではありません。わたしたち一人一人が「子育てにやさしい社会」を作ることが、こども虐待の防止につながります。虐待に至ってしまうケースは、子育てへの不安・知識不足、夫婦関係の不仲、働きたいのに働けないなどの生活の不安定さ、親の介護など、さまざまな不安やストレスの爆発によって引き起こされることが考えられます。子育て家庭への周囲からの寄り添いをお願いします。子育てにやさしい社会を作るために、社会全体で取り組んでいきましょう。
■ヤングケアラーを知ろう!
▽人権啓発の集い
ヤングケアラー「家族を背負う」子どもたちの現状と課題
講師:石川結貴氏(作家・ジャーナリスト)
日時:11月24日(金)午後2時~午後3時30分(開場は午後1時30分)
場所:高岡文化ホール
料金:無料
問合せ:市民生活課
【電話】20-1327
■相談窓口子育ての悩みや、つらさを感じたときはご相談ください
子ども家庭相談専用電話【電話】20-1329
健康増進課【電話】20-1344
高岡子育て支援センター【電話】28-4114
福岡子育て支援センター【電話】64-2090
万葉なかよし保育園子育て支援センター【電話】22-1881
▽虐待かもと思ったら
【電話】189(いちはやく)
お近くの児童相談所へつながります
▽ヤングケアラーに関する相談
子ども・子育て課【電話】20-1329
高岡児童相談所【電話】21-2124
問合先:子ども・子育て課
【電話】20-1379【FAX】20-1665
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