■乳がんの再発リスクを予測する遺伝子検査が保険適用になりました
日本人女性が罹患するがんの1位は乳がんであり、約9人に1人がかかると言われています(2019年)。早期乳がんに対しては女性ホルモンを抑える治療が行われますが、再発の危険性が高い人には抗がん剤治療が必要となります。これまでこの危険性を評価する検査は保険が使えず、治療方針に悩むことがありました。昨年9月、がん組織中の21種類の遺伝子を解析する「オンコタイプDX乳がん再発スコア(R)検査」が公的医療保険の適用となりました。結果は0~100の「再発スコア」で示され、再発スコアが25以下であれば抗がん剤治療は行わなくてもよいとされます。抗がん剤は肉体的、精神的、時間的、経済的な負担が大きいため、必要な人にだけ使用すべきと考えます。保険適用になったとはいえ高額な検査(3割負担で約13万円)ですが、必要な人にはご提案いたします。
高岡市民病院外科医長 飯田優理香
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