■鼻出血
鼻出血は原因が特定できない本態性鼻出血と、原因や誘因のある二次性鼻出血とに分類されます。小児期は鼻の発達段階の途中にあり、鼻の血管も幼若な状態であるため、くしゃみや鼻すすり、わずかな鼻ほじりといった軽微な刺激でも簡単に鼻出血を起こします。最も出血しやすいのは、鼻の仕切り(鼻中隔)の前方のキーゼルバッハ部と呼ばれる部位からの出血です。この部位は血管が多く集まっており、また外界からの刺激を受けやすい部位であるため出血しやすいのですが、両側の鼻翼を強く圧迫することで止血が得られます。激しく出血している場合には血管を焼灼したり、ガーゼによる圧迫等の処置を施したりします。出血の原因が腫瘍や血液疾患の場合には原疾患に対する治療を行います。
鼻出血時にはまず深呼吸をして落ち着き、座り、鼻翼を強く圧迫してください。それでも止血しない場合には早めに耳鼻咽喉科を受診してください。
高岡市民病院耳鼻咽喉科部長 北川典子
<この記事についてアンケートにご協力ください。>