■子どもの発熱
子どもが熱を出すと不安になりますね。ウイルスや細菌、自己免疫疾患、悪性腫瘍など、熱を出す原因は様々です。抗生物質は、細菌による感染時のみ使用でき、ウイルスには効果がありません。
また、検査が可能なものは、地球上に数万種というウイルスや細菌が存在する中で、人体に問題を起こしやすいほんの一部です。このため、熱の原因生物が特定できないことは多々あり、自然経過で改善する熱も多くありますが、治療が必要な疾患もあります。小さなお子さんはうまく言葉で説明できないので、ぐったりしていて食欲がなく、水分も摂れない、呼吸が辛そうなどの症状があれば、すぐにかかりつけ医へ受診してください。
また、子どもは体温調節機能や腎臓の機能が未熟なため、脱水症状を引き起こしやすくなります。脱水による尿量低下、尿路感染のリスク、頻脈、血圧低下など腎臓や心臓などの重要臓器への負担や二次障害を防ぐためにも、こまめな水分補給を心掛けていただきたいと思います。
高岡市民病院小児科主任部長 森腰夏子
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