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次世代につなぐ うなづき100年ヒストリー

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富山県黒部市

◆温泉街を襲った大火
太平洋戦争の敗戦から9か月後、新たな時代に向かって歩み始めていた宇奈月温泉は最大の災禍に見舞われました。1946(昭和21)年5月21日、昼前に温泉街の中心部で発生した火災はまたたく間に燃え広がったのです。火の勢いが強く、各地から駆け付けた消防車も温泉街に入れず、自然鎮火を待つしかありませんでした。
焼失した建物は256棟の住宅など合わせて284棟、重軽傷者は125名にのぼりました。当時の新聞は「宇奈月温泉は全滅」と報じましたが、焼け残ったのは宇奈月館、富山館、日本発送電事務所などわずかで、9割近くが被災する大惨事となったのです。
被災者は残った旅館などに一時的に仮住まいしましたが、再起への道は厳しいとみられました。これに対し、復興委員会がつくられ、日発黒部川地区電力所長は「復興費として1千万円を投じる」との意向を示し、当時の内山村は村有林を払い下げて住宅建設等に充てることにしたほか、各方面から義援金なども寄せられました。
黒部の歌人、吉沢弘は、焼け跡から立ち上がる光景をみて「住み馴れし土地捨てがてね兎角に堪へてゆかめとばらつくつくる」と『宇奈月復興』の短歌を詠んでいますが、官民の支援も受けながら温泉街は住民の結束で宇奈月再生へと歩み始めました。

文・宇奈月温泉開湯100周年事業実行委員会 実行委員長 河田 稔

◆11月の100周年記念イベント♪

*詳しくは、「宇奈月温泉開湯100周年特設サイト」をご覧ください。

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