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次世代につなぐ うなづき100年ヒストリー

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富山県黒部市

■傷痍軍人の療養所

日本の戦時体制が進むなか1939(昭和14)年、宇奈月温泉に新たな施設がつくられました。戦争などでけがを負った傷痍軍人のための温泉療養所です。
3,300坪(約1万平方メートル)の敷地に15棟が並び、外科治療室、水治治療室などを備えた施設でした。大浴場などもあり、入所者は自然豊かな環境のもと療養生活を過ごしました。
療養所は北陸、信越など7県の傷痍軍人を受け入れる施設でしたが、さらに旧東京文理科大学の付属施設「失明軍人寮」が疎開、視覚障がい者の施設ともなりました。
戦時中、社会復帰を目指す訓練施設として大きな役割を果たしていたのです。戦後は視覚障がい者の施設「光明寮」として出発しましたが、1946(昭和21)年の宇奈月大火で焼失、その役割を終えました。しかし、「光明寮」は生き続けます。当時皇后陛下のご配慮によって、栃木県那須塩原の御用邸跡に「塩原光明寮」が開設されたのです。2013(平成25)年に閉鎖されるまで戦後日本の視覚障がい者支援の中核を担った施設でした。そのルーツが宇奈月温泉にあったのです。
療養所は現在のホテル「やまのは」周辺にありました。いま面影をしのぶものはありませんが、宇奈月温泉はいろんな形で利用されてきたことを記憶にとどめたいと思います。

文・宇奈月温泉開湯100周年事業実行委員会 実行委員長 河田 稔

○9月~11月の100周年記念参加者募集イベント♪

*詳しくは、「宇奈月温泉開湯100周年特設サイト」をご覧ください。

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