◆周年記念の遺産
富山地方鉄道宇奈月温泉駅前の広場にある「温泉噴水」。源泉の黒薙温泉から送られてきた60度のお湯が噴き上げられ、宇奈月のシンボルの一つになっています。つくられたのは1973(昭和48)年、開湯50周年のときでした。以来半世紀、宇奈月温泉を紹介するときに広く使われ、人気スポットになっています。
宇奈月温泉の開湯記念事業は主に10年ごとに行われてきましたが、そのつど記念となる施設などが遺されてきました。
宇奈月公園内にある昭和天皇の御製歌碑は1963(昭和38)年の40周年、富山県歌人連盟会長などを務めた深山榮の歌碑は2013(平成25)年の90周年に建立されました。同公園の一角にある足湯「おもかげ」は2003(平成15)年の80周年につくられました。宇奈月温泉で最初の足湯です。また薬師寺前にある「お湯掛け薬師」は1983(昭和58)年の60周年記念として置かれました。
このほかにも周年記念として建設されたものがありますが、それぞれに宇奈月の発展を願った先人の思いが込められています。多くは宇奈月の観光スポットになっていますが、宇奈月の歴史を感じさせてくれます。
100周年では、記念事業の一つとして宇奈月温泉駅前の広場に「100年時計(仮称)」を設置することにしています。次の100年に向けて時を刻んでいこうという思いを込めた時計が、宇奈月の新たな魅力になればと願っています。
文・宇奈月温泉開湯100周年事業実行委員会 実行委員長 河田 稔
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