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子どものための大人図鑑(オトナズカン) vol.16(1)

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山口県上関町

世の中にはさまざまな仕事があり、ユニークな生き方をしている人がいます。
おもしろい大人にインタビュー、図鑑にしていくコーナー。
たくさんの大人から、元気と勇気、生きるヒントをもらってください。
「君たちは何でもできる!君たちは何にでもなれる!」

名前(なまえ):長沼圭祐(ながぬまけいすけ)
生息地(せいそくち):上関町室津(かみのせきちょうむろつ)
年齢(ねんれい):36歳(さい)
職種(おしごと):消防士(しょうぼうし)・救急救命士(きゅうきゅうきゅうめいし)
趣味(しゅみ):釣(つ)り、バイク、キャンプ
特徴(とくちょう):実(じつ)はムードメーカー、熱血野球少年(ねっけつやきゅうしょうねん)ケイスケ

久しぶりの大人図鑑の取材、待ち合わせ場所は町の総合文化センター。
趣味はアウトドア、野球少年の面影がちらりと見える?男性がやってきました。

■野球にどっぷり長沼少年(ながぬましょうねん)
周南市出身(しゅうなんししゅっしん)の長沼(ながぬま)さん。太華中学校(たいかちゅうがっこう)では野球部のキャプテンを務(つと)め、同時に徳山(とくやま)の軟式(なんしき)クラブチームにも所属(しょぞく)、そのチームでは県大会1位になったそうです。
みかさん:野球少年ですね!中学卒業後熊毛南高等学校(くまげみなみこうとうがっこう)へ進学。通学に距離がありますが、なぜ熊南(くまなん)に?
長沼さん:実は中学生の頃、当時熊南野球部で監督(かんとく)をしていた田中先生(たなかせんせい)に「うちにきて一緒に野球やらんか?」と、声をかけてもらったんです。
みかさん:スカウトですね!
長沼さん:高2の秋の大会では県大会で優勝。しかし高3の夏は3回戦敗退、甲子園を目指していたのでショックが大きかったです。
みかさん:本命(ほんめい)の大会で残念でした…。その後の進路は?
長沼さん:当時は野球に夢中で他のことをあまり考えていなくて…。父の勧めで公務員試験を受けました。高3では受からなかったのですが、卒業して福岡県の公務員専門学校に進学。夏に海上保安官の試験に無事合格しました。
みかさん:夏に合格とは、早い!やるべき時の集中力と底力、野球で鍛(きた)えられただけありますね。

■海上保安官(かいじょうほあんかん)として社会人スタート
長沼さん:翌年4月から、京都府舞鶴(きょうとふまいづる)にある海上保安学校へ。学校では寮生活をしながら必要な知識と技能を学びました。内定の時点でコースが決まっており、私は「機関課」、1年後に配属されたのは瀬戸内(せとうち)の第六管区徳山海上保安部(だいろくかんくとくやまかいじょうほあんぶ)でした。
みかさん:上関(かみのせき)にも「JAPAN COAST GUARD」の船が停泊しているのを見ます。海上保安官はどんな仕事をしますか?
長沼さん:簡単に言うと、海上の警察です。密漁船(みつりょうせん)などの取り締まり、陸上からも不審船(ふしんせん)の動きを観察・取り締まり、入港(にゅうこう)した大型船への立ち入り検査もします。私が勤(つと)めていた徳山海上保安部は、愛媛県(えひめけん)の伊方原子力発電所(いかたげんしりょくはつでんしょ)の安全を守るため、海上から警戒する仕事もありました。陸上の警察官と同じように法律の勉強や銃(じゅう)の練習もします。手錠(てじょう)も持っているんです。
みかさん:なるほど。しかし海上(かいじょう)は常(つね)に危険と隣り合わせですね。
長沼さん:はい、海は逃げ場がありません。出航(しゅっこう)したら最長4日間は海の上、ある種の密閉空間で上司や保安官と朝から晩まで一緒に過ごすので、正直しんどかったです。

■人生の舵切(かじき)りは自分で決める
みかさん:現在は消防士ですが、どういうきっかけで転職を?
長沼さん:海上保安官は国家公務員(こっかこうむいん)で全国転勤があります。地元で働きたかった私にとって、全国を転々とする生活はちょっと違うなと…。葛藤(かっとう)がありつつも22歳の年に再び公務員試験を受け、山口市(やまぐちし)と柳井市(やないし)に合格し、柳井地区広域消防組合(やないちくこういきしょうぼうくみあい)に勤めることになりました。
みかさん:ご自身でしっかりと人生の舵切(かじき)りをされましたね。
長沼さん:転職が決まった時に先輩が「おめでとう!がんばれよ!」と、転職を前向きに捉(とら)えてくれていたのが嬉(うれ)しかったです。
みかさん:平成21年から消防士となり、28年には「救急救命士(きゅうめいきゅうきゅうし)」の資格を取得されたそうですね。
長沼さん:実は以前から興味があって。救急救命士とは心肺停止(しんぱいていし)などの緊急時に、通常は医師しか行えない薬剤投与(やくざいとうよ)などの心肺蘇生(しんぱいそせい)の救命処置を行うことができる特別な資格です。専門学校では3年かかりますが、広島消防局(ひろしましょうぼうきょく)の養成所(ようせいじょ)にて7か月間必死に勉強し、取得できました。救急救命士としての10年で救えた命があり、その方はリハビリをして今は普通に生活されています。人ひとりの命を救うことができたことは、私の心に大きく残っています。
みかさん:すごいことです。毎回が命と向き合う現場、緊張感(きんちょうかん)も半端(はんぱ)なさそうです。

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