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雑草~ともに生きる社会をめざして~

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山口県下松市

「この世に雑草という草はない」
「すべての草に名があり役割がある」

NHKで放送されている連続テレビ小説の主人公のモデルである牧野富太郎博士の言葉です。生涯に収集した標本は、約40万点。新種や新品種など約1500種類以上の植物を命名した博士の言葉は、実感を伴って私たちの心を打ちます。
「雑草」のしなやかさと強さを歌った下のような詩があります。

雑草のうた 
鶴岡千代子

せっかく 花を さかせても
せっかく 葉っぱを ひろげても
ふりむいていく 人はない
それでも 平気さ みんなして
むんむん草むら つくってく

どんなに のどが かわいても
どんなに ほこりを かぶっても
水など くれる 人はない
それでも 平気さ 上むいて
のびたいほうだい のびていく

オオバコ ハコベ ヒメジョオン
ちゃんと 名前が ついてても
よびかけてくる 人はない
それでも平気さ いつだって
きらきらしながら 生きていく

(『白い虹』鶴岡千代子 銀の鈴社)

この詩で、「雑草」は、三回「それでも平気さ」と困難な状況を乗り越えようとしています。
一回目は、気付かれないという状況を「みんなして」乗り越えようとします。仲間と手を携えて二次元的に広がっていきます。
二回目は、気遣われないという状況でも、強く張った根を支えに自分の力を信じて、「上むいて」三次元的に伸びようとしています。
三回目は、「雑草」と嫌がられる状況でも、「きらきらしながら」生きていこうとします。時間を超えて、未来に向かって自分を押し出そうとしています。
「雑草」は、個々に目を凝らせば、個性的で力強い。一つとしてないがしろにはできません。牧野博士は、ひたむきにそれを見続けていたのでしょう。「この世に雑草という草はない」のです。

問合せ:生涯学習振興課
【電話】45-1871

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