■豊浦陸上スポーツ少年団
「全国小学生陸上競技交流大会」に毎年出場するなど、目覚ましい活躍を見せる豊浦陸上スポーツ少年団。
笑顔あふれる、その練習風景をのぞいてみました。
●褒めて、叱って、良いところを伸ばす
(写真)14年間、豊陸の指導をする中野さん。
「おもしろい」「熱血指導」と子どもたちから人気。
(写真)県予選で優勝しメダルをもらってお決まりのポーズ。全国の選手との交流も、良い経験になりました。
(写真)毎回子どもたち一人一人の表情をチェック。普段と様子が違うと必ず声を掛けます。
(写真)チームごとに誰が何周走るかを話し合って、発表。
「上級生の子の配慮が見られるとうれしいです」と中野さん。
※写真は本紙参照
◇豊陸といえば、この方
放課後、豊浦小学校のグラウンドに集まっているのは、豊浦陸上スポーツ少年団の子どもたち。練習時間になると、6年生が声を掛け、自主的にウォーミングアップが始まりました。
そこに監督の中野良枝さんが登場。子どもたちは自ら駆け寄り、順番に「中野さん、こんにちは」と挨拶をしています。「監督」ではなく「中野さん」と呼ぶ、その理由は。
「監督っていうと固くなるので、そう呼ばないように言ってあります。その代わり、お互いに敬語を使うようにしています。監督だからって別に偉いわけじゃない。私も、子どもたちから学ばせてもらっています」
こう話す中野さんは、もともと実業団で長距離選手として活躍していたアスリート。看護師として大会運営に従事し、また民生委員として地域を見守りながら、子どもたちの指導に力を入れています。
◇名物? 謎リレー
「次はリレーをします」という中野さんの声に子どもたちは大喜び。いつしか「謎リレー」という愛称が定着したこの練習には、子どもたちの自主性と協調性を伸ばすという狙いがあります。
学年が混ざった4~5人のチームに分かれ、指定された周数をチームで走るこの練習。走る順番や、誰が何周走るのかなど、すべてを決めるのは子どもたちです。
「根底にあるのは、負けたくないという気持ち。チーム対抗だから手を抜けないし、本気で考える。子どもたちが話し合って決めた結果を聞くのが楽しみです」と中野さんは話します。
この日走るのは13周。4人で3・3・3・4周走るチームもあれば、5人で1・1・1・5・5周走るチームもありました。
◇豊陸らしさとは?
男子のキャプテンを務める朝田桜輔くんのお母さんにお話を伺いました。
「もともと内気な性格で、どこにいるか分からないような子でしたが、6年生になって変わりました。日々の練習で下級生のお世話をする中で、上級生としての自覚が芽生え、今では全体をまとめるまでに。豊陸での経験が自信になっているようです」
保護者同士の仲が良いのも豊陸らしさ。「練習当番や大会役員など、保護者の方が進めてくださるので、とても助かっています」と中野さん。
「足が速くなりたい」「友達に負けたくない」中野さんが指導を始めた頃は50人くらいだった団員も次第に増え、今では100人を超える子どもたちが活動しています。
監督、保護者、そして子どもたち。みんなが主体的にお互いを高め合っていく。そんな風土がここにはあります。
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