●下関の漁業をもっと盛り上げるため
市長
これは大事ですね。下関の漁業をもっと盛り上げるためには何が足りないですか?我々行政に届いていないところを教えてください。
泉
伊崎町の漁師は高齢化し、漁師人口も減っています。ですので、若い人が漁業に興味を持ってもらえると漁業が盛り上がると思います。簡単な作業を…例えばアルバイトなどで携わってもらえる環境があれば、その経験はいつか漁師の道につながる可能性があるのではないかと思います。あとは、魚の需要が増えてくれれば。
市長
日本の食卓が西洋化してきて、魚を食べなくなっていますね。下関の魚はおいしいのに…!昔は唐戸市場でも仲買、鮮魚を扱う方々、それに魚を買う市民でにぎわっていたのに。何とか魚のおいしさを伝えていきたいですね。
村下
魚は処理などが面倒くさいですよね。魚をさばくとどうしても台所が汚れたり、魚の臭みとかが嫌いだったりすると思うんですが、実は処理の仕方で解決できます。あとは、魚の値段が高いから手が出しづらいのかも。でも本当は皆さん、結構魚が好きな気がしています。
市長
11月23日の「下関さかな祭」も多くの人が魚をたくさん買って帰っていましたね。
●ニューフィッシャーが語る夢
市長
これからの皆さんの夢を聞かせてください。
武井
約10年間漁師を続けて、ある程度まできました。(わかめを加工する時期に)妻が手伝ってくれて感謝しています。今後はもっと漁の幅を広げて、安定した生活基盤をつくっていきたいと思います。漁師は定年がありませんので、体が動かなくなるまで切磋琢磨してやっていきたいです。死ぬ間際に「漁師をやっていて良かったな」と思いたいです。
泉
泉水産をなくさないようにしていくことです。私が学生の頃、先代の社長に「何事も1番を目指してきた。誰よりも多く魚を獲ることをずっと考えてきた」と言われました。その言葉を噛み締め、泉水産で働く中で、まき網漁業がその方法の1つなのだなと理解しました。まき網漁業ができる泉水産を継承していきたいです。
村下
漁師をずっと続けていきたいです。いつも自分が釣った魚を丁寧に神経締めして、鮮度を保てるようにしています。将来は、自分が獲った新鮮な魚を、キッチンカーなどを使って皆さんに提供できればと考えています。面倒な魚の処理は私たちが担って、まずは皆さんに魚を食べてもらいたい。それが私の夢です。そのためには、まず漁の腕を磨くこと。魚が獲れなきゃ提供できないですから(笑)。
市長
皆さん、それぞれ素晴らしい夢があり、楽しみですね。これからも応援しています!本日、たくさんのお話を頂き、下関の漁業の明るい未来が見えた気がします。ありがとうございました。
(写真)武井さん「わかめ養殖」
(写真)村下さん「一本釣り」
(写真)泉さん「中型まき網漁業」
魚群探知機、ソナー、目視などで魚群を発見すると、魚種にあった漁網で巻き、運搬船に積み上げて漁獲します。
(写真)ニューフィッシャーらが前田市長に、実際使用している漁具の構造や工夫点などを解説している様子
※写真は本紙参照
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