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狩野芳崖 波乱万丈 人生すごろく

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山口県下関市

長府毛利藩御用絵師の家に生まれた狩野芳崖。
この頃日本画では、先生の手本を忠実に再現することが重要視されていましたが、芳崖は自然を手本とし、独自の日本画を創り上げていきました。
何があっても絵筆を置かなかった芳崖は「近代日本画の父」と呼ばれ、今なお芸術家に影響を与え続けています。
波乱万丈な芳崖の人生を、一緒にすごろくでたどってみませんか。
(写真)『芳崖先生遺墨大観』(1917年)より

■START
▽1828年
長府毛利藩御用絵師狩野晴皐の長男として長府印内に生まれる。

父に絵を習う。

▽1842年 15歳
「馬関真景図巻」を制作。建物の屋根の明暗などを丁寧かつ自由に描く。

(写真)《馬関真景図巻》1842年、個人蔵(下関市立美術館寄託)(部分)
下関市前田で降っていた雨が西に行くと次第にやんでいくという、見る人を楽しませてくれる逸品!

▽1846年 19歳
江戸の木挽町狩野勝川院雅信に入門。頭角を現す。親友橋本雅邦と出会う。

▽1857年 30歳
結婚。この頃長府毛利藩主の娘、鏻姫を描く。

(写真)《鏻姫像》下関市立美術館蔵
凛とした姫の表情、狆(犬)のかわいらしさ、着物の柄にも注目!

▽1864年 37歳
この頃、馬関海峡の測量に従事。

▽1867年 40歳
父晴皐が71歳で亡くなり、家督を継ぐ。

▼1871年 44歳
廃藩置県
職を失う。養蚕業を始めるも失敗。
1回休み

生活に窮し、内日や川棚方面に行き絵と米を交換してもらう。

(写真)《弁慶図》下関市立美術館蔵
この頃描いた作品。
珍しい署名が付いています。

画風が変わり始める。

▽1877年 50歳
上京。
2年後、橋本雅邦の紹介で、島津家に雇われ作画を始める。

▼1882年 55歳
フェノロサが絶賛
東洋美術史家、フェノロサに作品を認められ、一躍有名になる。
2個進む

フェノロサの家の近くに転居し、資金の支援を受けて、新しい日本画の実験を始める。

▽1886年 59歳
西洋顔料を使用した作品「仁王捉鬼図」制作。フェノロサと出会った芳崖が、新しい日本画を求め結実した。

(写真)《仁王捉鬼図》1886年 東京国立近代美術館蔵
緻密に描かれた装飾が実に美しい!
逃げ惑う餓鬼もキュート。

▽1888年 61歳
悲母観音(国の重要文化財)を制作。
東京美術学校(東京藝術大学)教授に内定するも、肺病で亡くなる。

《悲母観音》1888年 東京藝術大学蔵、重要文化財
病に倒れた芳崖は、仕上げを親友の橋本雅邦に委ねたという。

■GOAL
悲母観音に影響を受けた芸術家が、作品を生み出す。

■美術館へGO!
すごろくでご紹介した作品は展覧会で見ることができます。

2024年2月6日(火曜日)→3月17日(日曜日)
下関市立美術館開館40周年記念特別展 狩野芳崖、継がれる想い
-悲母観音からはじまる物語

期間:2月6日(火曜日)→3月17日(日曜日)
休館日:月曜日、2月12日は開館
参加費など:一般1,200円(1,000円)、大学生1,000円(800円) ※()は平日料金

場所・問合先:下関市立美術館
(【電話】245-4131)

●関連催事
(1)日本画家によるアーティスト・トーク
日時・講師:2月11日(日曜日)14時 四宮義俊氏
日時・講師:2月24日(土曜日)14時 坂本英駿氏

(2)担当学芸員による美術講座
日時:2月18日、3月10日

(3)展示解説
日時:2月13・17・27日、3月9日
▽スライドトーク=10時~10時30分
▽ギャラリートーク=14時~15時

(4)造形教室 芳崖筆法講座
日時:2月25日(日曜日)13時~16時
講師:坂本英駿氏
参加費など:2,000円

(5)歴史×エンターテイメント
狩野芳崖コンサートin蛍遊苑
日時:3月3日(日曜日)14時開演(開場13時30分)
場所:蛍遊苑(長府侍町二丁目)
参加費など:1,000円

共通事項・定員:(1)(2)(3)各50人 (4)15人 (5)100人(いずれも先着順)
共通事項・申込方法:(4)(5)前日までに美術館HPか電話で。
※(1)(2)(3)は当日展覧会観覧受け付けが必要

【特別協力】国立文化財機構文化財活用センター、東京国立博物館
※本展は、国立博物館収蔵品貸与促進事業の支援を受けています。
また、宝くじの社会貢献広報事業として、宝くじの受託事業収入を財源として実施しているコミュニティ助成事業であり、宝くじの助成金で実施するものです

(写真)二代川島甚兵衞
《悲母観音綴織額》部分
1895年 東京国立博物館蔵
Image:TNM Image Archives

※写真は本紙をご覧ください

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